← 教科書一覧へファシリティマネジメント:電源対策と省エネ
低頻約 16 分ファシリティマネジメント
概要
このユニットでは、ファシリティマネジメント(システム環境整備)のうち、コンピュータを安定して動かすための「電源」を守る仕組みと、環境に配慮した省エネの考え方を学ぶ。停電や瞬断に備える無停電電源装置(UPS)・自家発電装置、雷や過電圧から機器を守るサージ防護、そしてグリーンITは、設備運用の基礎としてITパスポートでも出題される。
用語(5)
無停電電源装置
停電や瞬断のときに内蔵電池から電力を供給し、機器を止めずに保護する装置。
無停電電源装置は、商用電源が止まった瞬間に内蔵バッテリから電力を供給し、サーバなどを停止させない設備です。停電を完全に乗り切るためではなく、安全に終了処理(シャットダウン)したり、自家発電装置へ切り替えたりする「数分間」をかせぐのが主な役割です。
試験では、UPS の正式名称が「無停電電源装置」であること、長時間の停電をまかなう装置ではなく短時間のつなぎである点が問われます。電圧変動を整えて電源品質を安定させる機能を持つものもあります。
たとえノートパソコンの内蔵バッテリのようなもの。コンセントが抜けても急に切れず、作業を保存して安全に閉じるまでの時間をかせいでくれます。
記憶フック無停電電源装置といえば停電の瞬間に電池でつなぐ装置(略称UPS)
UPS
無停電電源装置の英略称(Uninterruptible Power Supply)。
UPS は Uninterruptible Power Supply の略で、日本語の「無停電電源装置」と同じものを指します。停電や瞬間的な電圧低下が起きても、内蔵電池から途切れずに電力を供給し、機器が落ちるのを防ぎます。
試験では、UPS=無停電電源装置という名称の対応関係と、「短時間のつなぎ役」という役割が問われます。長時間の停電に備えるのは自家発電装置であり、UPS と自家発電装置を組み合わせて使う点を押さえましょう。
たとえ「無停電電源装置」という正式名のニックネームが「UPS」。同じ装置の呼び名違いで、別物ではありません。
記憶フックUPSといえば無停電電源装置の略で停電の瞬断をつなぐ
自家発電装置
燃料エンジンなどで自前で発電し、長時間の停電時に電力を供給する装置。
自家発電装置は、ディーゼルエンジンなどを動力に自分で電気を作り、停電が長引いても電力供給を続けるための設備です。起動から発電が安定するまでに少し時間がかかるため、その間は UPS がつなぎ、安定したら自家発電に切り替えるという役割分担になります。
試験では、UPS が「短時間の瞬断・つなぎ」を担うのに対し、自家発電装置は「長時間の停電」に備える次段のバックアップである、という対比が問われます。両者を併用して電源の継続性を確保します。
たとえ災害時に活躍するエンジン式の発電機のようなもの。コンセントが長く使えなくても、燃料がある限り自前で電気を作り続けてくれます。
記憶フック自家発電装置といえば長時間停電に備えて自前で発電
サージ防護
雷や開閉による瞬間的な過電圧(サージ)から機器を守る対策。
サージ防護とは、落雷や電源の入り切りなどで一瞬だけ発生する異常に高い電圧(サージ)を逃がし、機器の故障を防ぐ対策です。サージ防護機能付きの電源タップ(SPD)などを使い、過大な電圧を機器に届かないようにします。
試験では、UPS や自家発電装置が電源の「継続供給」を守るのに対し、サージ防護は電源の「品質(波形・電圧)」を守る対策である、という違いが問われます。特に雷対策(雷サージ)として問われることが多い点を押さえましょう。
たとえ急な大雨であふれた水を排水溝へ逃がすようなもの。一気に押し寄せる過剰な電圧を機器の手前で逃がし、あふれて壊れるのを防ぎます。
記憶フックサージ防護といえば雷などの過電圧から機器を守る
グリーンIT
ITの省エネ化や活用で環境負荷を低減する取り組みの総称。
グリーンITとは、コンピュータやデータセンターの消費電力を抑える「ITの省エネ化」と、ITを使って社会全体の環境負荷を減らす「ITによる省エネ化」の両面を含む、環境に配慮した取り組みの総称です。省電力機器の採用、仮想化によるサーバ集約、空調効率の改善などが代表例です。
試験では、電源設備とは系統の異なる「省エネ・環境配慮」の概念である点が問われます。ペーパーレス化やテレワークによる移動削減なども、ITで環境負荷を下げるグリーンITの例として出題されます。
たとえこまめに消灯し省エネ家電に替える「エコな暮らし」のIT版。機器自身の電気の無駄を減らしつつ、ITの力で社会全体のムダも減らす考え方です。
記憶フックグリーンITといえば機器の省電力(ITの省エネ化)とITによる社会の省エネ化の両面で環境負荷を減らす取り組み
まとめ
要点
- 無停電電源装置(UPS)は停電・瞬断の瞬間に電池で電力をつなぎ、安全な終了や切替までの短時間をかせぐ。
- 自家発電装置は長時間の停電に備えて自前で発電し、UPSと併用して電源の継続性を確保する。
- UPS・自家発電装置が電源の『継続供給』を守るのに対し、サージ防護は雷などの過電圧から電源の『品質』を守る。
- グリーンITは電源設備とは別系統の概念で、IT機器の省電力化とITによる社会の環境負荷低減の両面を指す。
- 電源を止めない→電源を汚さない→環境に配慮する、という流れでシステム環境整備の全体像をつかむ。
記憶フック一覧
- 無停電電源装置: 無停電電源装置といえば停電の瞬間に電池でつなぐ装置(略称UPS)
- UPS: UPSといえば無停電電源装置の略で停電の瞬断をつなぐ
- 自家発電装置: 自家発電装置といえば長時間停電に備えて自前で発電
- サージ防護: サージ防護といえば雷などの過電圧から機器を守る
- グリーンIT: グリーンITといえば機器の省電力(ITの省エネ化)とITによる社会の省エネ化の両面で環境負荷を減らす取り組み
関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。