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ファイルシステムの基礎 — ディレクトリ管理とバックアップ

低頻約 18 分ファイルシステム

概要

本ユニットでは、コンピュータがファイルを整理して管理する仕組みを学びます。ディレクトリによる階層管理(ルート・カレント)とファイルの識別、記憶装置で起こる断片化、そしてデータを守るアーカイブ・バックアップを一体で扱います。出題頻度は低めですが、ルートディレクトリやバックアップは繰り返し問われる基礎用語です。

用語6

ルートディレクトリ

ディレクトリ階層の最上位にある、すべての起点となるディレクトリ。

ルートディレクトリは、ファイルやフォルダを入れ子状(ツリー状)に管理するディレクトリ階層の一番上に位置する基準点です。ここからたどることで、どのファイルの位置も一意に表せます。 最上位からの位置を順にたどって示す表記を絶対パスと呼び、その出発点が常にルートディレクトリです。試験では、ルートが階層の最上位であること、そして「現在いる位置」を表すカレントディレクトリとの違い(ルートは固定の最上位、カレントは作業中の場所で変化する)が問われます。

たとえビルの「1階の正面玄関」のようなもの。どの部屋へ行くにも、まず共通の入口である玄関を基準に「玄関→3階→301号室」と道順をたどれます。

記憶フックルートディレクトリといえば階層の最上位・絶対パスの出発点

ルートディレクトリ

利用者フォルダ

システムフォルダ

文書

画像

report.txt

カレントディレクトリ

利用者が現在作業の基準にしている、操作中のディレクトリ。

カレントディレクトリは、いま自分が作業している「現在位置」のディレクトリです。ファイルを指定するとき、この現在位置を基準にした表記を相対パスと呼びます。 ルートディレクトリが常に固定の最上位なのに対し、カレントディレクトリは移動操作によって変化します。試験では、絶対パス(ルート起点)と相対パス(カレント起点)の違いがよく問われ、「.」が現在のディレクトリ、「..」が一つ上(親)のディレクトリを表す点も押さえておきましょう。

たとえ建物内の案内図にある「現在地はここ」の赤い印のようなもの。同じ目的地でも、今いる場所が変われば「そこからの道順」も変わります。

記憶フックカレントディレクトリといえば現在位置・相対パスの起点

ファイル拡張子

ファイル名末尾に付け、種類や形式を示す「.」以降の文字列。

ファイル拡張子は、ファイル名のうちピリオド(.)より後ろの部分で、そのファイルの種類や形式を表します。例として .txt は文書、.jpg や .png は画像、.mp3 は音声、.exe は実行ファイルなどがあります。 OS はこの拡張子を見て、開くアプリケーションを判断します。試験では、拡張子がファイルの中身そのものではなく「種類を示す目印」であること、拡張子の例とファイル形式の対応が問われます。拡張子だけを書き換えても中身の形式は変わらない点にも注意が必要です。

たとえ荷物の箱に貼る「割れ物」「冷蔵」などの内容ラベルのようなもの。中身の種類が一目で分かり、どう扱えばよいかが判断できます。

記憶フックファイル拡張子といえばファイルの種類を示す末尾の目印

フラグメンテーション

ファイルが記憶装置上で断片化し、連続せず散らばる状態。

フラグメンテーション(断片化)は、ファイルの作成・削除・更新を繰り返すうちに、1つのファイルのデータがハードディスク上のあちこちに分かれて記録されてしまう現象です。 断片化が進むと、読み書きの際にヘッドがあちこちを探しに行くため、アクセス速度が低下します。これを解消し、データを連続した領域へ並べ直す処理をデフラグ(デフラグメンテーション)と呼びます。試験では、断片化が性能低下の原因であること、デフラグが対策であることがセットで問われます(SSD ではデフラグは原則不要)。

たとえ本棚に本を出し入れするうち、同じシリーズの巻があちこちの棚にばらけてしまう状態。読むたびに棚中を探し回ることになり、時間がかかります。

記憶フックフラグメンテーションといえば断片化で速度低下・対策はデフラグ

アーカイブ

複数のファイルを1つにまとめて保存・配布できるようにすること。

アーカイブは、複数のファイルやフォルダを1つのファイルにまとめる処理、またはそのまとめたファイルを指します。zip 形式などが代表例で、まとめる際にデータを圧縮してサイズを小さくすることもよくあります。 多数のファイルを1つにまとめられるため、保存・配布・長期保管が扱いやすくなります。試験では、アーカイブが「複数を1つにまとめる」ことであり、圧縮(サイズを縮める)とは本来別の概念だが実用上一緒に行われることが多い、という関係が問われます。バックアップの保存単位としてもよく使われます。

たとえばらばらの書類を1つの封筒にまとめて封をするようなもの。1通として持ち運べて、必要なら真空パックのように小さく圧縮もできます。

記憶フックアーカイブといえば複数ファイルを1つにまとめる

バックアップ

障害に備え、データの複製を別の場所へ保存しておくこと。

バックアップは、機器の故障・誤操作・災害などでデータが失われる事態に備え、あらかじめデータの複製を取り、別の媒体や場所に保管しておくことです。失われても複製から元に戻せます(復元・リストア)。 方式には、毎回すべてを複製するフルバックアップ、前回のバックアップ以降の変更分だけを取る増分バックアップ、基準のフルバックアップ以降の変更分を取る差分バックアップがあります。試験では、これら3方式の違いと、復元の手間・所要時間の差(増分は復元が手間、差分は中間)が問われます。

たとえ大事な書類のコピーを取り、自宅とは別の貸金庫にも預けておくようなもの。原本が火事で焼けても、別の場所の控えから元に戻せます。

記憶フックバックアップといえばデータ複製を別の場所に保存して復元に備える

バックアップ

フルバックアップ

増分バックアップ

差分バックアップ

毎回すべてを複製

前回以降の変更分

フル以降の変更分

まとめ

要点

  • ファイルはディレクトリで階層(ツリー)管理され、最上位がルートディレクトリ、現在の作業位置がカレントディレクトリ。
  • 位置の表し方には、ルート起点の絶対パスと、カレント起点の相対パス(. は現在、.. は親)がある。
  • ファイル拡張子(.txt や .jpg など)はファイルの種類を示す目印で、OS が開くアプリの判断に使う。
  • フラグメンテーション(断片化)はアクセス速度低下の原因で、デフラグで連続領域に並べ直して解消する。
  • バックアップはデータ消失に備えた複製で、フル・増分・差分の3方式があり復元の手間が異なる。アーカイブは複数ファイルを1つにまとめる保全の基盤。

記憶フック一覧

  • ルートディレクトリ: ルートディレクトリといえば階層の最上位・絶対パスの出発点
  • カレントディレクトリ: カレントディレクトリといえば現在位置・相対パスの起点
  • ファイル拡張子: ファイル拡張子といえばファイルの種類を示す末尾の目印
  • フラグメンテーション: フラグメンテーションといえば断片化で速度低下・対策はデフラグ
  • アーカイブ: アーカイブといえば複数ファイルを1つにまとめる
  • バックアップ: バックアップといえばデータ複製を別の場所に保存して復元に備える

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。