用語(6)
マルウェア
利用者に害を与える目的で作られた悪意あるソフトウェアの総称。
マルウェアとは、コンピュータやその利用者に害を与えることを目的に作られた、悪意あるソフトウェア全般を指す総称です。英語の「malicious(悪意ある)」と「software」を組み合わせた言葉で、ウイルス・ワーム・トロイの木馬・ボット・ランサムウェアなどがすべてこの中に含まれます。
つまり、これから学ぶ個別の感染型は、いずれもマルウェアという大きなくくりの一種だと整理できます。試験では、特定の種類を指す言葉ではなく「悪意あるプログラム全体をまとめて呼ぶ総称」である点と、各種類の親概念にあたる位置づけが問われます。
たとえ「犯罪」が窃盗・詐欺・破壊など悪事全体をまとめて呼ぶ言葉であるように、マルウェアは悪意あるプログラムをひとくくりにした呼び名です。
記憶フックマルウェアといえば悪意あるソフトウェアの総称
コンピュータウイルス
他のプログラムに寄生して感染を広げる代表的なマルウェア。
コンピュータウイルスとは、他のプログラムやファイルに自分のコードを潜り込ませる(寄生する)ことで増え、害を及ぼすマルウェアです。生物のウイルスが宿主に取りつくのと同じように、単独では活動できず宿主となるプログラムを必要とする点が特徴です。
試験で特に重要なのが、次に学ぶワームとの違いです。ウイルスは宿主が必要で、ファイルを開く・実行するなど利用者の操作をきっかけに感染が広がります。一方ワームは宿主なしで自分だけで増えます。「寄生するのがウイルス、単独で増えるのがワーム」という対比を押さえましょう。
たとえ風邪のウイルスが人(宿主)にうつって初めて広がるように、コンピュータウイルスもプログラムという宿主に取りついて増えていきます。
記憶フックコンピュータウイルスといえば宿主に寄生して増える
ワーム
宿主を必要とせず自分自身を複製して増殖するマルウェア。
ワームとは、他のプログラムに寄生せず、自分自身の複製を作りながら単独で増えていくマルウェアです。ネットワークを通じて次々と他のコンピュータへ感染を広げ、短時間で爆発的に拡散することがあります。
試験頻出の観点は、やはりウイルスとの違いです。ウイルスが宿主(他のファイル)を必要とし、利用者の操作で広がるのに対し、ワームは宿主なしで自己増殖し、人の操作がなくても自動的に広がります。「単独で自己増殖=ワーム」と覚えておくと、ウイルスとの区別がつきます。
たとえウイルスが「人にうつる風邪」なら、ワームは誰の手も借りず自分でコピーを増やして部屋中に広がっていくクローンのようなものです。
記憶フックワームといえば宿主なしで自己増殖
トロイの木馬
正規のソフトを装って侵入し、裏で不正動作を行うマルウェア。
トロイの木馬とは、便利なアプリや無害なファイルなど正規のソフトウェアを装って利用者にインストールさせ、内部に潜んで裏で情報の盗み出しや遠隔操作などの不正行為を行うマルウェアです。名前はギリシャ神話の「木馬に兵を隠して城に入り込んだ」逸話に由来します。
試験で問われるのは感染のしかたの違いです。ウイルスやワームが「自己増殖」するのに対し、トロイの木馬は基本的に自己増殖せず、利用者が自らだまされて取り込んでしまう点が特徴です。「正規を装ってだます=トロイの木馬」と押さえましょう。
たとえ便利なアプリの顔をして近づき、中に泥棒を忍ばせた贈り物のようなもの。受け取った本人が自分の手で家に入れてしまう点がやっかいです。
記憶フックトロイの木馬といえば正規を装い裏で悪事
ボット
感染後に攻撃者から遠隔操作される状態にされたマルウェア。
ボットとは、感染したコンピュータを攻撃者が外部から自由に遠隔操作できる状態にするマルウェアです。感染した端末は攻撃者の指示どおりに動く「手下」となり、多数の感染端末が攻撃者の指令で一斉に操られる仕組みをボットネットと呼びます。
試験では、ボットネットが大量の迷惑メール送信やDDoS攻撃などの踏み台に悪用される点が重要です。利用者が気づかないうちに加害者側に加担させられてしまうこともあります。「遠隔操作される手下=ボット、その集団=ボットネット」と関連づけて覚えましょう。
たとえ知らぬ間に操り人形にされ、糸を引く攻撃者の命令で動かされる状態。同じ人形が大勢集まって一斉に動くのがボットネットです。
記憶フックボットといえば遠隔操作される手下
ランサムウェア
データを暗号化し復旧と引き換えに身代金を要求するマルウェア。
ランサムウェアとは、感染したコンピュータのファイルを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭(身代金)を要求するマルウェアです。「ransom(身代金)」が名前の由来で、近年被害が大きく、企業や病院などが業務停止に追い込まれる事例が多発しています。
試験では、被害の特徴と対策が問われます。要求に応じても復旧の保証はないため、安易に支払わないこと、そして日頃からバックアップを取っておくことが有効な備えとされます。「データを人質に身代金=ランサムウェア」と覚えましょう。
たとえ大事な書類に勝手に鍵をかけて持ち主が開けられなくし、「開けてほしければ金を払え」と脅す誘拐犯のようなマルウェアです。
記憶フックランサムウェアといえばデータを人質に身代金要求