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物理的セキュリティ対策

頻出約 26 分情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術

概要

本ユニットでは、施設や端末・書類といった物理資産を守る「物理的セキュリティ対策」を学びます。監視カメラ・施錠・入退室管理などによる入退室統制、クリアデスク・クリアスクリーンによる執務環境の保護、遠隔バックアップによる災害対策までを扱う、情報セキュリティの頻出分野です。

用語9

監視カメラ

施設内外を撮影・記録し、不審な行動を監視・抑止する装置。

監視カメラは、出入口や重要区画を撮影・録画し、不正侵入や不審な行動を監視するための物理的な対策です。常に見られているという意識を与えることで、不正行為そのものを思いとどまらせる抑止効果も期待できます。 録画した映像は、万一インシデントが起きた際に「いつ・誰が・何をしたか」を後から確認する証跡(記録)としても役立ちます。試験では、施錠や入退室管理と組み合わせて使う基本的な物理対策の一つとして位置づけられている点を押さえましょう。

たとえコンビニの天井にあるカメラのようなもの。映っていると分かるだけで万引きをためらわせ、起きてしまった出来事も後から映像で確認できます。

記憶フック監視カメラといえば撮影・記録による監視と抑止

施錠管理

扉や什器を鍵で施錠し、許可された者だけが開けられる状態を保つ管理。

施錠管理は、サーバ室やキャビネットなどに鍵をかけ、許可された人だけが開けられるようにする最も基本的な物理対策です。鍵の貸出・返却の記録、合鍵の管理、退出時の確実な施錠といった運用までを含めて管理します。 どんなに高度なシステムでも、扉が開けっぱなしでは機器や書類を直接盗まれてしまいます。試験では、入退室管理を構成する基礎施策として、また「重要機器は施錠したラックに収める」といった具体策として問われます。

たとえ家の玄関や金庫に鍵をかけるのと同じです。鍵を持つ人だけが入れ、誰に鍵を貸したかを記録しておけば、出入りした人もたどれます。

記憶フック施錠管理といえば鍵による最も基本的な物理制御

入退室管理

誰がいつ部屋に出入りしたかを認証・記録し、立入りを統制する仕組み。

入退室管理は、ICカードや暗証番号、生体認証などで本人を確認し、許可された人だけを室内に入れ、その出入りの記録(ログ)を残す仕組み全体を指します。施錠管理を含む、物理的なアクセス制御の中心概念です。 「入室」だけでなく「退室」も記録する点が重要で、在室者の把握や、後からの追跡(トレーサビリティ)に役立ちます。試験では本群で最も頻出の用語で、アンチパスバックやインターロックといった高度化手法の土台となる概念として理解しておきましょう。

たとえ会社の入口でICカードをかざして入るオフィスのようなもの。カードを持つ人だけが入れ、誰がいつ入退室したかが自動で記録されます。

記憶フック入退室管理といえば認証と記録による立入り統制

許可

拒否

利用者がICカードをかざす

認証

許可された人か

解錠して入室

入室を拒否

入退室ログを記録

アンチパスバック

入室記録がない人の退室や、連続した不正な再入室を防ぐ制御。

アンチパスバックは、入退室管理を高度化した制御で、正規に入室した記録がないと退室できない(またはその逆)ように制限する仕組みです。これにより、入室記録のない人が部屋から出ることや、不自然な出入りを防ぎます。 主な目的は「共連れ(他人について一緒に入ること)」や、1枚のカードを使い回す不正の防止です。試験では、入退室管理の応用手法として、また後述のインターロックと混同しやすい用語として問われます。アンチパスバックは『入室と退室の記録の整合』で制御する点が特徴です。

たとえ遊園地で入場記録がないと出口ゲートが開かない仕組みに似ています。きちんと入った記録がある人しか出られないため、こっそり紛れ込んだ人を防げます。

記憶フックアンチパスバックといえば入退室記録の整合による不正防止

あり

なし

退室を要求

入室記録があるか

退室を許可

退室を拒否し不正を検知

インターロック

二重扉で一方が閉じないと他方が開かず、共連れを物理的に防ぐ機構。

インターロックは、入口に二重の扉(前室)を設け、片方の扉が完全に閉まらないともう片方が開かないようにする物理的な仕組みです。一度に一人ずつしか通れないため、後ろの人が一緒に入り込む「共連れ」を確実に防ぎます。 アンチパスバックが記録のルールで不正を防ぐのに対し、インターロックは扉の構造そのもので防ぐ点が違いです。試験では、共連れ防止の物理機構として、アンチパスバックとの違いを意識して押さえておきましょう。

たとえ銀行や駅にある二重の自動ドアのようなもの。手前のドアが閉まらないと奥のドアが開かないため、二人まとめて通り抜けることができません。

記憶フックインターロックといえば二重扉で共連れを物理的に防止

クリアデスク

離席・退社時に机上の書類や記録媒体を片付けて放置しない運用。

クリアデスクは、席を離れるときや退社時に、机の上に書類・USBメモリ・ノートPCなどを出しっぱなしにせず、施錠保管するなどして片付ける運用ルールです。机上からの情報の盗み見や、書類・媒体の盗難・紛失を防ぎます。 「人」ではなく日々の「執務環境」を守る対策で、画面を守るクリアスクリーンと対で語られます。試験では、放置された資料からの情報漏えいを防ぐ基本的な運用施策として問われます。

たとえ図書館で席を立つときに貴重品を置きっぱなしにしないのと同じ。机に何も残さなければ、覗かれたり持ち去られたりする心配がありません。

記憶フッククリアデスクといえば離席時に机上資料を片付ける運用

クリアスクリーン

離席時に画面をロックや消去し、表示内容を見られないようにする運用。

クリアスクリーンは、席を離れるときにパソコンの画面をロックしたり、スクリーンセーバーで内容を隠したりして、表示中の情報を他人に見られないようにする運用ルールです。一定時間操作がないと自動でロックする設定も有効です。 机上を守るクリアデスクと対をなし、こちらは「画面」上の情報を守ります。試験では、離席中の端末からの盗み見やなりすまし操作を防ぐ対策として、クリアデスクとセットで問われることが多い用語です。

たとえATMで操作を終えたら必ずログアウトするのと同じ。画面を開いたまま離れれば、次の人に残高や操作内容を見られてしまいます。

記憶フッククリアスクリーンといえば離席時の画面ロックで盗み見防止

セキュリティケーブル

ノートPC等を机に固定し、持ち去り・盗難を防ぐワイヤ錠。

セキュリティケーブルは、ノートパソコンなどの機器を、ワイヤとロックで机や什器に物理的に固定する盗難防止具です。多くのノートPCにある専用の差込口(スロット)に接続して使います。 離席中や共用スペースなど、機器を置いたまま離れる場面で、まるごと持ち去られるのを防ぎます。試験では、執務環境を守る具体的な物理対策の一つとして、機器盗難防止の手段という観点で問われます。

たとえ自転車をワイヤ錠で電柱につないでおくのと同じ発想です。鍵で固定しておけば、ちょっと目を離したすきに丸ごと持ち去られずに済みます。

記憶フックセキュリティケーブルといえば機器を固定する盗難防止具

遠隔バックアップ

離れた拠点へデータの複製を保管し、災害・物理障害に備える方式。

遠隔バックアップは、データの複製(バックアップ)を、本番システムから地理的に離れた別拠点に保管しておく方式です。火災・地震・水害などで本拠点が被災しても、遠隔地の複製からデータを復旧できます。 同じ建物内にバックアップを置くと、災害時に本体もろとも失う恐れがあります。試験では、物理的な障害・災害に対する可用性(止まらず・失われないこと)の確保策として、事業継続の観点から問われます。

たとえ大切な写真を自宅だけでなく、離れた実家にもコピーを預けておくようなもの。自宅が火事になっても、実家の控えから取り戻せます。

記憶フック遠隔バックアップといえば離れた拠点への複製で災害に備える

まとめ

要点

  • 物理的セキュリティ対策は「入退室統制」「執務環境・端末の保護」「災害への備え」の3方向で資産を守る。
  • 入退室管理が物理的アクセス制御の中心概念で、施錠管理を含み、認証と入退室の記録(ログ)を残す。
  • アンチパスバックは入退室記録の整合で不正を防ぎ、インターロックは二重扉の構造で共連れを防ぐ点が違い。
  • クリアデスク(机上の書類)とクリアスクリーン(画面)は対の運用で、日々の執務環境からの情報漏えいを防ぐ。
  • 遠隔バックアップは離れた拠点に複製を置き、火災・地震など物理障害・災害時の可用性を確保する。

記憶フック一覧

  • 監視カメラ: 監視カメラといえば撮影・記録による監視と抑止
  • 施錠管理: 施錠管理といえば鍵による最も基本的な物理制御
  • 入退室管理: 入退室管理といえば認証と記録による立入り統制
  • アンチパスバック: アンチパスバックといえば入退室記録の整合による不正防止
  • インターロック: インターロックといえば二重扉で共連れを物理的に防止
  • クリアデスク: クリアデスクといえば離席時に机上資料を片付ける運用
  • クリアスクリーン: クリアスクリーンといえば離席時の画面ロックで盗み見防止
  • セキュリティケーブル: セキュリティケーブルといえば機器を固定する盗難防止具
  • 遠隔バックアップ: 遠隔バックアップといえば離れた拠点への複製で災害に備える

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。