用語(7)
ディスク暗号化
ハードディスクやSSDなど記憶媒体全体を暗号化する仕組み。
ディスク暗号化は、PCやサーバの記憶媒体(ディスク)全体をまるごと暗号化する技術です。ディスク上に保存されるデータは自動的に暗号化されるため、利用者が個々のファイルを意識して暗号化する必要がありません。
主な目的は、PCやディスクの盗難・紛失時に、第三者が中身を読み取れないようにすることです。たとえ取り出されても鍵がなければ復号できません。試験では、後述のファイル暗号化との粒度の違い(ディスクは媒体全体、ファイルは個別)が問われます。
たとえ書類を一枚ずつ封筒に入れるのではなく、書庫の部屋ごと頑丈な金庫にしてしまうようなもの。中の物すべてがまとめて守られます。
記憶フックディスク暗号化といえば記憶媒体まるごとの暗号化
ファイル暗号化
個々のファイル単位でデータを暗号化する仕組み。
ファイル暗号化は、ディスク全体ではなく特定のファイル単位でデータを暗号化する技術です。重要な文書だけを選んで暗号化したり、暗号化したまま相手に送ったりできます。
粒度が細かいため、メール添付やファイル共有など、特定のデータだけを保護したい場面に向いています。試験では、媒体全体を守るディスク暗号化との対比で出題されます。『ディスク=媒体まるごと』『ファイル=必要なものだけ個別に』という使い分けを押さえましょう。
たとえ部屋ごと金庫にする代わりに、大事な書類だけを一枚ずつ鍵付きの封筒に入れて持ち運ぶようなもの。必要なものだけを選んで守れます。
記憶フックファイル暗号化といえばファイル単位の個別暗号化
デジタル署名
公開鍵暗号とハッシュで作成者と改ざんの有無を証明する仕組み。
デジタル署名は、電子データに対して「誰が作成したか(本人性)」と「途中で改ざんされていないか(完全性)」を証明する技術です。公開鍵暗号方式とハッシュ関数を組み合わせて実現します。
送信者はデータのハッシュ値を自分の秘密鍵(署名鍵)で暗号化して署名を作り、受信者は送信者の公開鍵(検証鍵)で署名を確認します。ここでは暗号化と逆に「秘密鍵で署名し公開鍵で検証する」点が重要です。試験では、署名は機密性ではなく『本人性・完全性』を保証する技術であること、なりすましや改ざんの検知に使える点が頻出です。
たとえ書類に押す「本人にしか押せない実印」と「中身を写し取った封印」を兼ねたようなもの。誰が出したかと、開封・改ざんされていないことを同時に示せます。
記憶フックデジタル署名といえば本人性と改ざん検知を証明
署名鍵
デジタル署名を作成する側が使う、本人だけが持つ秘密鍵。
署名鍵は、デジタル署名を作成するときに使う鍵で、送信者本人だけが持つ秘密鍵にあたります。データのハッシュ値をこの鍵で暗号化することで署名が生成されます。
署名鍵は本人以外に知られてはならず、漏えいするとなりすましが可能になります。試験では、署名を「作る」側が使うのが署名鍵(=秘密鍵)で、後述の検証鍵(=公開鍵)と対になることが問われます。暗号化での用途と逆になる点に注意しましょう。
たとえ本人しか持っていない実印そのもの。これを使ってはじめて正式な印を押せ、他人に貸せば勝手に署名されてしまいます。
記憶フック署名鍵といえば署名を作る本人だけの秘密鍵
検証鍵
デジタル署名を検証する側が使う、公開された公開鍵。
検証鍵は、受け取ったデジタル署名が正しいかを確認するときに使う鍵で、送信者の公開鍵にあたります。誰でも入手できるよう公開されており、これを使って署名を検証します。
署名鍵(秘密鍵)で作られた署名は、対応する検証鍵(公開鍵)でのみ正しく検証できます。試験では、署名を「確かめる」側が使うのが検証鍵で、署名鍵と一対になること、公開してよい鍵である点が問われます。署名鍵と検証鍵の役割を取り違えないことが重要です。
たとえ実印に対する「印鑑証明」や登録された印影のようなもの。誰でも参照でき、押された印が本物かを照合するのに使います。
記憶フック検証鍵といえば署名を確かめる公開鍵
タイムスタンプ
電子データがその時刻に存在したことを証明する刻印。
タイムスタンプは、電子データが「ある時刻に確かに存在し、それ以降改ざんされていない」ことを証明する技術です。第三者機関(時刻認証局)がデータに正確な時刻情報を付与します。
デジタル署名だけでは「いつ作られたか」までは保証できないため、それを補い、契約書や電子文書の作成時刻を後から否認できないようにします。試験では、タイムスタンプが保証するのは『その時刻の存在証明と非改ざん』であり、後述の時刻認証(信頼できる時刻源)に支えられる点が問われます。
たとえ郵便局が押す「消印」のようなもの。その日付に確かに差し出された事実を、利害関係のない第三者が証明してくれます。
記憶フックタイムスタンプといえばその時刻の存在を証明する刻印
時刻認証
信頼できる正確な時刻を保証しタイムスタンプを支える仕組み。
時刻認証は、タイムスタンプに用いる時刻が信頼できる正確なものであることを保証する仕組みです。時刻認証局(TSA)などが、改ざんされていない正確な時刻源に基づいて時刻情報を提供します。
タイムスタンプの信頼性は、その元となる時刻が正しいことが前提です。時刻認証はその土台を担い、誰かが勝手に時刻を偽れないようにします。試験では、時刻認証がタイムスタンプを成り立たせる基盤であること、信頼できる第三者(時刻認証局)が関与する点を押さえておきましょう。
たとえ標準時を配信する「時報」や公的な時計のようなもの。皆がその正確な時刻を信頼するからこそ、消印の日付にも意味が生まれます。
記憶フック時刻認証といえばタイムスタンプを支える正確な時刻保証