用語(9)
静脈パターン認証
手のひらや指の静脈の形状パターンを読み取って本人確認を行う生体認証方式。
静脈パターン認証は、手のひらや指の内部にある静脈の分岐や形のパターンを、近赤外線で読み取って本人を識別する生体認証方式です。
静脈は体内にあるため偽造や盗み取りが難しく、安全性が高いのが特徴です。指紋のように表面に痕跡が残らず、ケガや乾燥の影響も受けにくいため、ATMや入退室管理など実用例が多くあります。試験ではこの単元で最も問われやすい方式で、『体内の静脈の形で認証する』という点と、表面の特徴を使う指紋認証との違いを押さえましょう。
たとえ手のひらを懐中電灯にかざすと、内部に走る血管が地図のように透けて見えます。その人だけの血管マップを照合して本人と確かめるイメージです。
記憶フック静脈パターン認証といえば体内の静脈の形で本人確認
虹彩認証
瞳の周りの虹彩の模様を読み取って本人確認を行う生体認証方式。
虹彩認証は、瞳孔の周りにあるドーナツ状の虹彩(瞳の色がついた部分)の細かい模様を読み取って本人を識別する方式です。
虹彩の模様は人によって異なり、一生ほとんど変化せず、双子でも違うため、非常に高精度な認証ができます。カメラで非接触に読み取れる利点もあります。試験では『虹彩=高精度な生体認証』として問われます。眼底の血管を使う網膜認証と混同しやすいので、虹彩は瞳の表側の色付き部分の模様という点を区別して覚えましょう。
たとえ目の中にある「色のついた輪」の模様は、人それぞれ異なる手書きの判子のようなもの。その細かな模様を見比べて本人を確かめます。
記憶フック虹彩認証といえば瞳の色付き部分の模様で高精度認証
顔認証
目・鼻・口の配置など顔の特徴を読み取って本人確認を行う生体認証方式。
顔認証は、目・鼻・口の位置関係や輪郭といった顔の特徴をカメラで撮影し、登録データと照合して本人を識別する方式です。
カメラに顔を向けるだけで認証でき、専用の読み取り装置に触れる必要がない手軽さから、スマートフォンのロック解除や空港の出入国管理など、普及度の高い方式です。試験では実用例の多い非接触型として問われます。一方で、照明や角度、マスクや経年による顔の変化の影響を受けやすい点も理解しておきましょう。
たとえ受付の人があなたの顔を見て「いつもの○○さんですね」と分かるように、機械が顔のパーツの配置を見て本人かどうか判断します。
記憶フック顔認証といえば顔のパーツ配置で非接触に本人確認
声紋認証
声の周波数や波形などの特徴で本人確認を行う生体認証方式。
声紋認証は、声に含まれる周波数や波形などの音声的な特徴(声紋)を分析して本人を識別する方式です。
マイクさえあれば電話越しでも認証でき、専用機器が不要な点が利点です。一方、声は風邪や体調、周囲の雑音の影響を受けやすく、録音による なりすましのリスクもあります。試験では、身体の形状ではなく『声(音声)の特徴を使う生体認証』として、他の視覚的な方式と区別して問われます。
たとえ電話の向こうの相手が、顔が見えなくても声だけで「あ、お母さんだ」と分かるように、声の特徴から本人を見分ける仕組みです。
記憶フック声紋認証といえば声の特徴で本人確認
網膜認証
眼球の奥にある網膜の血管パターンで本人確認を行う生体認証方式。
網膜認証は、眼球の奥(眼底)にある網膜上の毛細血管のパターンを読み取って本人を識別する方式です。
網膜の血管パターンは個人差が大きく偽造が困難なため精度は高いものの、目をのぞき込む形で読み取る必要があり、利用者の負担が大きい方式です。試験では、瞳の表側の模様を使う虹彩認証との違いがポイントで、網膜は『目の奥(眼底)の血管』を使うと押さえます。出題頻度は低めですが、虹彩との対比で問われることがあります。
たとえ目の奥に広がる血管の地図は、その人だけの模様。眼底をのぞき込んで、その地図を読み取り本人かどうかを確かめます。
記憶フック網膜認証といえば目の奥(眼底)の血管で本人確認
本人拒否率
正規の本人を誤って拒否してしまう確率。生体認証の精度指標の一つ。
本人拒否率は、本来受け入れるべき正規の利用者を、生体認証が誤って「本人ではない」と拒否してしまう割合を表す精度指標です。
この値が高いと、正しい利用者が何度も認証に失敗し、使い勝手(利便性)が悪くなります。試験では、後述の他人受入率(FAR)とペアで問われ、判定を厳しくすると本人拒否率は上がる、という関係が重要です。『拒否』という言葉から、正しい人を締め出してしまう誤りだと結びつけて覚えましょう。
たとえ本物の社員証を持っているのに、警備が厳しすぎて「君は本物じゃない」と入口で止められてしまうようなもの。正しい人を誤って追い返す誤りです。
記憶フック本人拒否率といえば正規の本人を誤って拒否する確率
FRR
本人拒否率の英語略称(False Rejection Rate)。
FRRは False Rejection Rate の略で、日本語の本人拒否率と同じ意味です。正規の本人を誤って拒否する確率を指します。
試験では、日本語名と英略称の対応(本人拒否率=FRR)がそのまま問われることがあります。「Rejection(拒否)」の頭文字Rが入っている点に注目すると、本人を『拒否』する誤りだと結びつけやすくなります。次に学ぶFAR(他人受入率)と取り違えないよう、R=拒否・A=受入と区別しましょう。
たとえ本人拒否率という日本語の名前に貼られた「英語のラベル」がFRR。中身は同じで、呼び方が違うだけと考えるとよいです。
記憶フックFRRといえば本人拒否率(False Rejection Rate)
他人受入率
他人を誤って本人として受け入れてしまう確率。生体認証の精度指標の一つ。
他人受入率は、本来拒否すべき他人(別人)を、生体認証が誤って「本人だ」と受け入れてしまう割合を表す精度指標です。
この値が高いと、なりすましを許してしまい、安全性(セキュリティ)が低下します。本人拒否率とは逆の誤りで、両者はトレードオフの関係にあります。判定を緩くすると他人受入率は上がり本人拒否率は下がる、厳しくするとその逆になります。試験では、安全性に直結する誤りはどちらか、2指標の増減の向きが頻出です。
たとえ他人の社員証なのに、警備が甘くて「どうぞお入りください」と通してしまうようなもの。別人を本人と取り違えて受け入れる誤りです。
記憶フック他人受入率といえば他人を誤って本人として受け入れる確率
FAR
他人受入率の英語略称(False Acceptance Rate)。
FARは False Acceptance Rate の略で、日本語の他人受入率と同じ意味です。他人を誤って本人として受け入れる確率を指します。
試験では、日本語名と英略称の対応(他人受入率=FAR)や、FRRとの違いが問われます。「Acceptance(受入)」の頭文字Aが入っている点に注目すると、他人を『受け入れる』誤りだと結びつけられます。FRRは利便性、FARは安全性に関わる誤りで、両者はトレードオフの関係にあるという全体像をセットで押さえましょう。
たとえ他人受入率という日本語の名前に貼られた「英語のラベル」がFAR。中身は同じで、A=Acceptance=受入と覚えると取り違えません。
記憶フックFARといえば他人受入率(False Acceptance Rate)