用語(8)
経営理念
企業が経営活動で大切にする基本的な考え方や価値観を示したもの。
経営理念は、企業が「何のために事業を行うのか」「どんな価値観を大切にするのか」を示した、経営活動の最上位の考え方です。経営者の信念や行動指針として、戦略・組織・人事などあらゆる意思決定の土台になります。
企業活動全体の根幹概念であり、ここがぶれると戦略や組織運営も一貫性を失います。試験では、ほぼ同義で使われる企業理念との関係や、経営理念が経営戦略・経営目標の前提(上位概念)に位置づけられる点が問われます。具体的な数値目標ではなく、価値観・存在意義を表す抽象的なものである点を押さえましょう。
たとえ船の航海でいう「どんな船でありたいか」という船長の信条のようなもの。具体的な目的地より前に、その船が大切にする生き方そのものを示します。
記憶フック経営理念といえば企業が大切にする基本的な価値観・考え方
企業理念
企業の存在意義や価値観を示す基本的な考え方。経営理念とほぼ同義。
企業理念は、企業がよりどころとする存在意義や価値観を示した基本的な考え方で、経営理念とほぼ同じ意味で使われます。両者を区別する場合、企業理念は企業全体の不変の価値観、経営理念は経営者がそれを経営に反映させた指針、とされることもありますが、IT パスポートでは厳密な区別より「どちらも企業の根幹となる理念」と理解すれば十分です。
試験では、経営理念と並べて出題され、企業活動の最上位概念であること、具体的な行動計画ではなく価値観・存在意義を表すものであることが問われます。理念→戦略→目標→計画という階層の最上位に位置づけられる点を押さえましょう。
たとえ会社の「家訓」のようなもの。代が変わっても受け継がれる、その家(企業)が大切にする価値観の核を表します。
記憶フック企業理念といえば経営理念とほぼ同義の企業の根幹となる価値観
MVV
ミッション・ビジョン・バリューの3要素で理念を体系化した枠組み。
MVV は Mission(使命)・Vision(将来像)・Value(価値観)の頭文字をとった枠組みで、抽象的な経営理念を3つの要素に分解して具体化したものです。「何のために存在するか(ミッション)」「どこを目指すか(ビジョン)」「どう行動するか(バリュー)」を一体で示します。
理念を社員に伝わる形へ落とし込み、戦略や行動の指針として機能させる狙いがあります。試験では、MVV が3要素から成ること、それぞれが使命・将来像・価値観のどれに対応するかが問われます。3つの要素を取り違えないよう、ミッション=使命、ビジョン=将来像、バリュー=価値観と対応づけて覚えましょう。
たとえ旅行計画でいう「なぜ旅に出るか(使命)」「どこへ行くか(将来像)」「どんな態度で旅するか(価値観)」の3点セット。理念をこの3軸に分けて見える化します。
記憶フックMVVといえばミッション・ビジョン・バリューの3要素
ミッション
企業が果たすべき使命・存在意義を示すMVVの第一要素。
ミッションは「企業が何のために存在し、社会に対してどんな使命を果たすのか」を表す要素です。MVV の中で最も根幹となる「存在意義」を示し、事業の方向性すべての出発点になります。
試験では、ビジョン(将来像)やバリュー(価値観)との違いが問われます。ミッションは「目指す将来の姿」ではなく「果たすべき使命・存在意義」である点が区別のポイントです。『なぜ我々は存在するのか』という問いに答えるのがミッションだと覚えておきましょう。
たとえ医師でいう「人々の健康を守る」という使命のようなもの。具体的な目標の前に、そもそも何のために働くのかという根本の役割を示します。
記憶フックミッションといえば企業が果たすべき使命・存在意義
ビジョン
企業が目指す将来のありたい姿を示すMVVの第二要素。
ビジョンは「企業が将来どうなりたいか」というありたい姿・目指す状態を表す要素です。ミッション(使命)を踏まえ、その実現に向けて中長期的に到達したい将来像を示します。
試験では、使命を表すミッションとの違いが問われます。ミッションが「なぜ存在するか(現在の使命)」を示すのに対し、ビジョンは「どこを目指すか(将来の姿)」を示す点が区別のポイントです。未来に向けた目標像である、と押さえておきましょう。
たとえ登山でいう「いつか頂上に立っている自分の姿」のようなもの。今の役割ではなく、たどり着きたい未来の景色を描いたものです。
記憶フックビジョンといえば企業が目指す将来のありたい姿
バリュー
企業や社員が共有すべき価値観・行動基準を示すMVVの第三要素。
バリューは「企業や社員が日々どんな価値観をもち、どう行動すべきか」を示す要素です。ミッションやビジョンを実現するうえで、組織のメンバーが共有すべき行動基準・価値観を定めます。
試験では、使命のミッション・将来像のビジョンとの違いが問われます。バリューは「行動の指針・価値観」であり、日々の判断や振る舞いのよりどころになる点が区別のポイントです。3要素の中で最も現場の行動に近いものだと覚えておきましょう。
たとえスポーツチームの「フェアプレーを貫く」「全力を尽くす」といったチーム共通の心得のようなもの。一人ひとりの日々の振る舞いの基準になります。
記憶フックバリューといえば社員が共有すべき価値観・行動基準
人的資本経営
人材を資本と捉え投資により価値を高め企業成長につなげる経営。
人的資本経営は、人材を「コスト(費用)」ではなく「資本(価値を生む元手)」と捉え、教育・スキル開発などへ投資することで人材の価値を高め、企業の中長期的な成長につなげる経営の考え方です。近年は人的資本に関する情報開示も重視されています。
試験では、人材をコストではなく投資の対象とみなす点が問われます。従来の「人件費を抑える」発想との違いを意識し、人を活かして価値を生み出すという理念の発展形として理解しましょう。
たとえ畑でいう、収穫だけを急がず、土づくりや種への投資を惜しまないことで長く豊かな作物を得る考え方。人を育てる投資が将来の実りを大きくします。
記憶フック人的資本経営といえば人材を資本とみなし投資で価値を高める
パーパス経営
企業の社会的存在意義(パーパス)を軸に据えて行う経営。
パーパス経営は、企業の「社会的な存在意義(パーパス=何のために社会に存在するのか)」を経営の中心に据え、それを軸に戦略や事業活動を進める考え方です。利益追求だけでなく、社会課題の解決や社会への貢献を重視する点が特徴で、近年注目される経営概念です。
試験では、利益だけでなく社会的意義を重視する点や、理念群の発展形として位置づけられる点が問われます。経営理念が企業内部の価値観に重きを置くのに対し、パーパスは社会との関わりにおける存在意義を強調する、と区別して覚えましょう。
たとえ店でいう「ただ売って儲ける」から一歩進み、「この街にどんな良い変化をもたらすか」を看板に掲げて商売するようなもの。社会への意義を経営の軸に置きます。
記憶フックパーパス経営といえば社会的存在意義を軸に据える経営