← 教科書一覧へデジタル社会の関連法制度
頻出約 16 分経営・組織論
概要
本ユニットでは、デジタル社会や持続可能な社会への変革を支える政策・法制度を学びます。脱炭素の到達目標であるカーボンニュートラルを入口に、規制緩和で実証を進める特区の法律、データ活用とデジタル社会の基盤となる基本法までを整理します。制度名と目的の対応が試験で問われるため、何のための仕組みかを押さえることが重要です。
用語(5)
カーボンニュートラル
温室効果ガスの排出量と吸収・除去量を均衡させ、実質ゼロにする考え方。
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素などの温室効果ガスについて、排出する量から森林などが吸収・除去する量を差し引き、合計を実質的にゼロにすることを目指す概念です。日本は2050年カーボンニュートラルを目標に掲げています。
排出を完全になくすのではなく「差し引きでゼロ」にする点がポイントです。IT分野では、デジタル技術で社会を変革しつつ脱炭素も進めるGX(グリーントランスフォーメーション)の到達目標として登場します。試験では、排出ゼロではなく実質ゼロを指す点が問われます。
たとえおこづかいの収支のように、使った分(排出)を稼いだ分(吸収)で埋め合わせ、残高をゼロにするイメージです。出費自体は残っても、差し引きでプラスマイナスゼロにします。
記憶フックカーボンニュートラルといえば温室効果ガス実質ゼロ
国家戦略特別区域法
特定地域で規制を緩和し、経済成長や実証を進めるための法律。
国家戦略特別区域法は、国が指定した特定の地域(国家戦略特区)に限って規制を緩和し、新しい産業やサービスの実証・成長を後押しする法律です。全国一律では難しい先進的な取組を、地域を限定して試せる枠組みを提供します。
この法律は、後に学ぶスーパーシティ法の土台にもなっています。試験では、規制緩和を地域限定で行う仕組みであることや、全国一律の規制改革とは異なる点が問われます。
たとえ全校ルールは変えにくいので、まず特定の教室だけで新しい時間割を試すようなものです。うまくいけば横展開する、地域限定の実験場です。
記憶フック国家戦略特別区域法といえば地域限定の規制緩和
スーパーシティ法
AI・データを活用した先端都市を実現する、特区制度を発展させた法律。
スーパーシティ法は、国家戦略特別区域法を改正して設けられた制度で、AIやビッグデータを活用した未来都市「スーパーシティ」の実現を目指します。住民の暮らし全体(移動・医療・教育・行政など)を複数分野横断でまるごとデジタル化する点が特徴です。
国家戦略特区が個別分野の規制緩和だったのに対し、スーパーシティは複数分野をまとめて変革する点が発展形です。試験では、先端的なデジタル都市を実現するための特区制度である点が問われます。
たとえ特区が「教室1つの実験」なら、スーパーシティは「学校まるごとを最新設備に建て替える」イメージ。生活のあらゆる場面を一度にデジタル化します。
記憶フックスーパーシティ法といえばAI・データ活用の先端都市
官民データ活用推進基本法
官民が持つデータの活用を国全体で推進するための基本法。
官民データ活用推進基本法は、国・自治体(官)と企業(民)が保有するデータを社会全体で有効活用し、便利で効率的な社会を実現するための基本方針を定めた法律です。データのオープン化や利活用の推進を国の施策として位置づけます。
「基本法」とは、個別の細かいルールではなく、施策全体の理念や方向性を示す法律です。試験では、データ駆動型社会の基盤を支える法律であること、官と民の双方のデータを対象とする点が問われます。
たとえ各部署がバラバラに持つ資料を全社で共有・活用しようと決める社内方針のようなもの。データを眠らせず、みんなで使う土台をつくります。
記憶フック官民データ活用推進基本法といえばデータ利活用の基盤法
デジタル社会形成基本法
デジタル社会の形成に関する基本理念と施策を定めた法律。
デジタル社会形成基本法は、デジタル技術を活用して誰もが恩恵を受けられる社会(デジタル社会)を形成するための基本理念や、国・自治体・事業者の役割を定めた法律です。デジタル庁の設置とともに整備され、日本のデジタル化施策の土台となっています。
官民データ活用推進基本法が「データ」に焦点を当てるのに対し、こちらはデジタル社会全体の方向性を示す上位的な基本法です。試験では、デジタル社会づくりの理念を示す基本法である点が問われます。
たとえ建物を建てる前の「基本設計図」のようなもの。細かい工事内容ではなく、どんなデジタル社会を目指すかという全体方針を描きます。
記憶フックデジタル社会形成基本法といえばデジタル社会づくりの基本理念
まとめ
要点
- カーボンニュートラルは排出ゼロではなく、吸収・除去を差し引いた実質ゼロを目指す概念で、GXの到達目標である。
- 国家戦略特別区域法は地域を限定して規制を緩和する仕組みで、スーパーシティ法はそれを発展させ複数分野横断の先端デジタル都市を実現する。
- 官民データ活用推進基本法は官民双方のデータ利活用を推進する基盤法で、データ駆動型社会を制度面で支える。
- デジタル社会形成基本法はデジタル社会全体の基本理念を定める上位的な基本法で、デジタル庁の設置とともに整備された。
- 基本法は個別の細かいルールではなく、施策全体の理念や方向性を示す法律である点を区別して押さえる。
記憶フック一覧
- カーボンニュートラル: カーボンニュートラルといえば温室効果ガス実質ゼロ
- 国家戦略特別区域法: 国家戦略特別区域法といえば地域限定の規制緩和
- スーパーシティ法: スーパーシティ法といえばAI・データ活用の先端都市
- 官民データ活用推進基本法: 官民データ活用推進基本法といえばデータ利活用の基盤法
- デジタル社会形成基本法: デジタル社会形成基本法といえばデジタル社会づくりの基本理念
関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。