用語(8)
著作権法
思想や感情を創作的に表現した著作物を、創作と同時に自動的に保護する法律。
著作権法は、文章・音楽・プログラム・イラストなど「表現されたもの(著作物)」を保護します。最大の特徴は無方式主義で、申請や登録をしなくても作品を創作した瞬間に権利が発生する点です。
これが産業財産権(特許・意匠・商標など)との決定的な違いです。産業財産権は特許庁への出願・登録が必要(方式主義)ですが、著作権は登録不要で自動発生します。試験では「登録しないと著作権は発生しない」という記述は誤り、という形でよく問われます。
なお保護されるのは「表現」であって、アイデアそのものは保護されません。プログラムは著作物に含まれますが、その背後の解法やアルゴリズムは著作権では守られない点も要注意です。
たとえ日記を書いた瞬間、役所に届け出なくても「これは私が書いたもの」と言える状態。紙に表現した瞬間にあなたの権利になるイメージです。
記憶フック著作権法といえば登録不要で自動発生(無方式主義)
特許法
自然法則を利用した高度な技術的アイデア(発明)を、登録により保護する法律。
特許法は「発明」、つまり新しくて高度な技術的アイデアを保護します。産業財産権の代表格で、特許庁へ出願し審査を経て登録されると、独占的に実施できる権利が与えられます。
保護対象が「アイデア(技術思想)」である点が重要です。著作権が「表現」を守るのに対し、特許は新しい仕組み・方法そのものを守ります。たとえば画期的な圧縮方式という「考え方」は特許の対象になり得ます。
試験では、保護期間(出願から原則20年)や、新規性・進歩性・産業上利用可能性が要件であること、登録が必要(無審査ではない)ことが問われます。著作権の自動発生との対比で覚えましょう。
たとえ新しい料理の「調理法そのもの」を役所に登録して、他人に勝手に真似されないよう独占権をもらうようなイメージです。
記憶フック特許法といえば発明(技術アイデア)を登録して保護
ビジネスモデル特許
ITを活用した新しい事業の仕組みを発明として保護する特許。
ビジネスモデル特許は、商売のやり方(ビジネスモデル)そのものではなく、それをコンピュータやネットワークなどのITで実現した「技術的な仕組み」を特許として認めるものです。
ここがよく誤解される試験ポイントです。単なるアイデアや商法だけでは特許になりません。あくまで自然法則を利用した技術(情報処理の仕組み)と結びついて初めて特許の対象になります。
例として、オンラインの逆オークションや、ポイント還元を自動処理する仕組みなどがあります。特許法の枠内にある応用概念として、特許法の直後で押さえておきましょう。
たとえ「会員証でポイントを貯める」という発想だけでは権利化できないが、それをアプリで自動計算する独自の仕組みにすると保護対象になるイメージです。
記憶フックビジネスモデル特許といえばITで実現した事業の仕組み
実用新案法
物品の形状・構造などに関する小発明(考案)を無審査で保護する法律。
実用新案法は、特許ほど高度でない技術的アイデア「考案」を保護します。対象は物品の形状・構造・組合せに限られ、方法やプログラムは対象外です。
特許との対比が最頻出ポイントです。特許は実体審査を経て登録されますが、実用新案は新規性などの実体審査をせずに登録される(無審査主義)点が大きく異なります。そのぶん権利は早く取れますが、保護期間は出願から10年と特許より短くなっています。
「小発明」「無審査」「物品の形状・構造」という三つのキーワードで、特許との違いを整理して覚えましょう。
たとえ特許が厳しい審査つきの上級資格なら、実用新案は審査なしで早く取れる準資格。ただし有効期間は短め、というイメージです。
記憶フック実用新案法といえば小発明を無審査で保護
意匠法
物品のデザイン(形状・模様・色彩など)を登録により保護する法律。
意匠法は、製品の「見た目の美しさ・デザイン」を保護します。物品の形状・模様・色彩、またはこれらの結合で、視覚を通じて美感を起こさせるものが対象です。
保護対象が「外観・デザイン」である点で、技術アイデアを守る特許・実用新案や、表現を守る著作権とは区別されます。たとえばスマートフォンの斬新な形状や、独特のボトルデザインなどが意匠登録の対象です。
試験では「意匠=デザイン」「特許=発明」「商標=マーク」という対応関係を入れ替えた誤答が頻出します。何を守る法律かをセットで暗記しましょう。
たとえ中身の機能ではなく「見た目のかっこよさ」に与えられる権利。おしゃれな椅子の独特なフォルムを真似させない、というイメージです。
記憶フック意匠法といえば物品のデザイン(見た目)を保護
商標法
商品やサービスを識別するマーク(商標)を登録により保護する法律。
商標法は、事業者が自社の商品・サービスを他社と区別するために使う「マーク(文字・図形・記号など)」を保護します。ブランド名やロゴが典型例です。
他の産業財産権との違いは、守る対象が技術やデザインではなく「信用・識別力」である点です。長く使うほど価値が高まるため、登録は更新によって半永久的に維持できます(他の権利は期間満了で消滅)。これは試験でよく狙われる特徴です。
また商標には、商品に付ける「トレードマーク」と、サービスに付ける「サービスマーク」という下位概念があります。次の二語とあわせて体系で理解しましょう。
たとえお店の「のれん」や有名ブランドのロゴのように、「これはあの会社の品だ」と一目で分かる目印を独占できる権利です。
記憶フック商標法といえばマーク(ブランド・ロゴ)を保護し更新で半永久
トレードマーク
商品に付けて他社製品と区別するための商標(マーク)。
トレードマークは、商標のうち「商品」に使われるマークを指します。たとえば飲料の銘柄ロゴや、お菓子のブランドマークなどが該当します。
ポイントは、保護されるのが形のある「商品」に付く標識である点です。次に学ぶサービスマーク(役務に付くマーク)と対になる概念で、両者を合わせて商標を構成します。
試験では商標法の具体例として、トレードマーク=商品、サービスマーク=サービス、という対応を問われます。商標法とセットで、どちらに付くマークかを混同しないようにしましょう。
たとえペットボトルや箱など「モノ」に貼られているブランドの目印。手に取れる商品側のマーク、と覚えるとよいです。
記憶フックトレードマークといえば商品に付けるマーク
サービスマーク
サービス(役務)に付けて他社と区別するための商標(マーク)。
サービスマークは、商標のうち「サービス(役務)」に使われるマークを指します。運送・金融・飲食・通信などの形のないサービスを提供する事業者のブランドマークが該当します。
トレードマークが「商品」に付くのに対し、サービスマークは「サービス」に付くという対比が核心です。どちらも商標法で保護される商標であり、提供するものが有形か無形かで呼び分けます。
試験では二つのマークの区別が狙われます。トレード=商品(モノ)、サービス=役務(サービス)、と対で覚えると確実です。
たとえ宅配便や銀行のロゴのように、「モノ」ではなく「サービス」を表す目印。手に取れないサービス側のマーク、と覚えましょう。
記憶フックサービスマークといえば役務(サービス)に付けるマーク