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労働関連法規

標準約 21 分労働関連・取引関連法規

概要

本ユニットでは、働く人を守る労働関連法規を学ぶ。労働契約法・労働基準法・労働者派遣法という基礎制定法と、それらを土台にした36協定・フレックスタイム制・裁量労働制・最低賃金という具体的な労働条件制度を扱う。ITパスポートでは派遣の仕組みや労働時間制度がよく問われ、企業活動の前提として理解が欠かせない。

用語7

労働契約法

労働者と使用者の間の労働契約の基本ルールを定めた法律。

労働契約法は、労働者(働く人)と使用者(雇う側)が結ぶ労働契約について、その成立・変更・終了などの基本的なルールを定めた法律です。労使が対等な立場で合意して契約を結ぶこと、合理的な理由のない解雇は無効になることなどを定め、当事者間のトラブルを防ぐ役割を持ちます。 試験では、労働条件の『最低基準』を罰則付きで定める労働基準法と混同しないことが問われます。労働契約法は労使間の『契約の民事的なルール』を定める法律で、原則として罰則を伴わない点が労働基準法との違いです。労働法全体の入口となる基礎的な法律として押さえましょう。

たとえ労働契約法は、働く人と会社が結ぶ『約束ごとの土台ルール』を決めた取扱説明書のようなもの。対等に合意し、勝手に約束を破れないことを定めている。

記憶フック労働契約法といえば労使対等の契約の基本ルール

労働基準法

労働時間・賃金など労働条件の最低基準を罰則付きで定めた法律。

労働基準法は、労働者を保護するために、労働時間・休日・賃金・休憩などの労働条件について守るべき『最低基準』を定めた法律です。たとえば法定労働時間を原則1日8時間・週40時間とするなど、使用者が下回ってはいけない基準を罰則付きで定めています。 試験では、この法律が後続の制度の『土台』である点が重要です。36協定・フレックスタイム制・裁量労働制・最低賃金は、いずれも労働基準法を前提に成り立つ制度です。契約の民事ルールを定める労働契約法との違い(労働基準法は最低基準を罰則付きで強制する)も問われやすいので区別しておきましょう。

たとえ労働基準法は、働く環境の『これより悪くしてはいけない安全ライン』を引いた法律。スポーツのルールブックのように、破れば反則(罰則)になる最低限の決まり。

記憶フック労働基準法といえば労働条件の最低基準を罰則付きで定める

労働者派遣法

派遣労働者の保護と派遣事業の適正運営を定めた法律。

労働者派遣法は、派遣という働き方を規律する法律です。派遣では、労働者は派遣元(派遣会社)と雇用契約を結びつつ、実際の指揮命令は派遣先(働く現場の会社)から受ける、という三者関係になります。この法律は派遣労働者の保護と派遣事業の適正な運営を目的としています。 試験では、この三者関係(雇用は派遣元、指揮命令は派遣先)を問う出題が頻出です。請負では発注先が労働者に直接指揮命令できないのに対し、派遣では派遣先が直接指揮命令できる点が両者の大きな違いです。派遣特有の雇用と指揮命令の分かれ方を正確に押さえましょう。

たとえ派遣は、派遣会社に所属したまま別の会社へ『応援』に行くようなもの。給料は所属元(派遣元)から、仕事の指示は応援先(派遣先)から受ける二股の関係になる。

記憶フック労働者派遣法といえば雇用は派遣元・指揮命令は派遣先

雇用契約

派遣契約

指揮命令

派遣元(派遣会社)

派遣労働者

派遣先(就業する会社)

36協定

法定労働時間を超える時間外労働を可能にする労使協定。

36(サブロク)協定は、労働基準法第36条に基づき、法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて働かせる(時間外労働・休日労働をさせる)ために必要な労使協定です。会社と労働者代表が協定を結び、労働基準監督署へ届け出ることで、初めて時間外労働が認められます。 試験では、36協定が『時間外労働を行うための前提手続き』である点が問われます。協定を結ばずに法定労働時間を超えて働かせることは原則できません。労働基準法を土台とした例外の仕組みであること、届出が必要であることを押さえましょう。

たとえ36協定は、原則禁止の『残業』を行うために事前に取る許可証のようなもの。会社と労働者で約束し役所に届け出て、初めて時間外労働の扉が開く。

記憶フック36協定といえば時間外労働に必要な労使協定と届出

会社と労働者代表が36協定を締結

労働基準監督署へ届出

法定労働時間を超える時間外労働が可能

フレックスタイム制

一定期間の総労働時間内で出退勤時刻を労働者が決められる制度。

フレックスタイム制は、一定の清算期間における総労働時間をあらかじめ定め、その範囲内で労働者自身が日々の始業・終業時刻を自由に決められる労働時間制度です。生活に合わせて柔軟に働けるため、ワークライフバランスの向上につながります。 試験では、必ず働く必要がある『コアタイム』と、その前後で出退勤を自由に選べる『フレキシブルタイム』の組み合わせが問われます。労働時間の長さを自分で短縮できる制度ではなく、あくまで総労働時間の枠内で『時間帯』を自由にする制度である点に注意しましょう。

たとえフレックスタイム制は、決められた合計勉強時間さえこなせば、いつ机に向かうかは自由という宿題のようなもの。みんなが集まる時間帯(コアタイム)だけは守る。

記憶フックフレックスタイム制といえば総労働時間内で始業終業を自由に

フレキシブルタイム(出勤を選べる)

コアタイム(必ず勤務)

フレキシブルタイム(退勤を選べる)

裁量労働制

実労働時間でなく、あらかじめ定めた時間働いたとみなす制度。

裁量労働制は、業務の進め方や時間配分を労働者本人の裁量に大きく委ねる職種で用いられる労働時間制度です。実際に働いた時間にかかわらず、労使で定めた一定時間を働いたものと『みなす』のが特徴で、みなし労働時間制とも呼ばれます。 試験では、研究開発やデザインなど成果が時間に比例しにくい専門業務に適用される点、そして『実労働時間ではなくみなし時間で扱う』点が問われます。出退勤の時間帯を自由にするフレックスタイム制とは異なり、労働時間そのものをみなしで固定する制度である違いを押さえましょう。

たとえ裁量労働制は、仕事を『時給』ではなく『1件いくら』で請けるような感覚。実際に何時間かけたかではなく、決めた時間ぶん働いたとみなして扱う。

記憶フック裁量労働制といえばみなし時間で働いたと扱う

最低賃金

使用者が労働者に支払うべき賃金の最低額を定めた制度。

最低賃金は、最低賃金法に基づき、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を保障する制度です。これを下回る賃金で労働者を働かせることはできず、仮に下回る契約を結んでも無効となり、最低賃金額が適用されます。 試験では、最低賃金が地域や産業ごとに金額が定められること、そして賃金面の『最低基準』を保障する点が問われます。労働時間の最低基準などを定める労働基準法と並ぶ、賃金面の保護制度として位置づけられます。労働者の生活を守るためのセーフティネットであると理解しましょう。

たとえ最低賃金は、賃金に引かれた『これより安くしてはいけない床(ゆか)』のようなもの。どんな契約をしても、この床より下に賃金を下げることはできない。

記憶フック最低賃金といえば賃金の最低額を保障する制度

まとめ

要点

  • 労働関連法規は、基礎制定法(労働契約法・労働基準法・労働者派遣法)と、それを土台にした具体制度(36協定・フレックスタイム制・裁量労働制・最低賃金)で構成される。
  • 労働契約法は労使間の契約の民事ルール、労働基準法は罰則付きの労働条件の最低基準を定める法律で、両者の役割の違いが問われる。
  • 労働者派遣法では、雇用は派遣元・指揮命令は派遣先という三者関係が頻出論点で、請負との違いとして押さえる。
  • 36協定は時間外労働に必要な労使協定と届出、フレックスタイム制は総労働時間内で時刻を自由に、裁量労働制はみなし時間で扱う制度である。
  • 最低賃金は最低賃金法に基づき賃金の最低額を保障する制度で、これを下回る契約は無効となる。

記憶フック一覧

  • 労働契約法: 労働契約法といえば労使対等の契約の基本ルール
  • 労働基準法: 労働基準法といえば労働条件の最低基準を罰則付きで定める
  • 労働者派遣法: 労働者派遣法といえば雇用は派遣元・指揮命令は派遣先
  • 36協定: 36協定といえば時間外労働に必要な労使協定と届出
  • フレックスタイム制: フレックスタイム制といえば総労働時間内で始業終業を自由に
  • 裁量労働制: 裁量労働制といえばみなし時間で働いたと扱う
  • 最低賃金: 最低賃金といえば賃金の最低額を保障する制度

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。