用語(7)
コーポレートガバナンス
企業が健全に経営されるよう監視・統制する企業統治の仕組み。
コーポレートガバナンスは「企業統治」と訳され、経営者が株主や社会の利益にかなう健全な経営を行っているかを監視し、暴走や不正を防ぐための仕組みです。社外取締役の登用や監査役の設置など、経営をチェックする体制づくりが中心になります。
目的は、経営の透明性を高め、株主など利害関係者(ステークホルダー)の信頼を守ることです。試験では、内部統制が「業務を適正に回す社内の仕組み」であるのに対し、コーポレートガバナンスは「経営そのものを外部・株主の視点で監視する枠組み」である点の違いがよく問われます。
たとえサッカーの審判のような存在です。選手(経営者)が好き勝手にプレーしないよう、ルールを守らせ反則を見張ることで、試合(経営)を公正に保ち観客(株主・社会)の信頼を得ます。
記憶フックコーポレートガバナンスといえば経営を監視する企業統治
公益通報者保護法
企業の不正を通報した従業員を解雇など不利益から守る法律。
公益通報者保護法は、勤務先の法令違反や不正を通報した従業員(公益通報者)が、解雇・降格・減給などの不利益な取扱いを受けないよう保護する法律です。これにより、社員が安心して内部告発でき、不正の早期発見につながります。
この仕組みは、社内に不正を是正する力を働かせ、コーポレートガバナンスを内側から機能させる役割を持ちます。試験では「不正を通報した人を守る法律」であること、通報したことを理由とした解雇などの報復を禁じる点が問われます。通報者本人を保護する制度であり、通報内容そのものを公表する制度ではない点に注意します。
たとえルール違反を先生に告げ口した生徒が、仕返しでいじめられないよう守ってもらえる校則のようなものです。安心して声を上げられるから、隠れた不正があぶり出されます。
記憶フック公益通報者保護法といえば不正を通報した人を守る
内部統制報告制度
財務報告の信頼性を保つ社内体制を評価し報告させる制度。
内部統制報告制度は、上場企業などに対し、財務報告が正しく作られる社内の仕組み(内部統制)が有効に機能しているかを経営者自身に評価させ、その結果を内部統制報告書として開示させる制度です。日本では金融商品取引法に基づき、いわゆるJ-SOXとして導入されました。
狙いは、粉飾決算など財務情報の誤りや不正を防ぎ、投資家が信頼できる情報を得られるようにすることです。試験では、内部統制が「業務を適正・効率的に進めるための社内の仕組み」であること、この制度がその有効性を文書化・評価・報告で担保するものである点が問われます。
たとえ工場が「不良品を出さない手順がきちんと守られているか」を自己点検し、点検結果の報告書を取引先に提出するようなものです。仕組みの健全さを自ら証明します。
記憶フック内部統制報告制度といえば財務報告の信頼性を担保する社内点検
情報公開法
国民が行政機関の保有する文書の開示を請求できる法律。
情報公開法は、国民が国(行政機関)の保有する行政文書の開示を請求できる権利を定めた法律です。正式には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」といい、誰でも開示請求でき、原則として行政は文書を開示しなければなりません。
目的は、行政の活動を国民に説明する責務(説明責任)を全うし、開かれた行政を実現することです。試験では、開示を求める相手が「企業」ではなく「行政機関」である点、企業の決算開示を指すディスクロージャーとは対象が異なる点が問われます。個人情報など一部は不開示とされる例外がある点も押さえます。
たとえ役所に「この決定はどんな書類に基づいて決めたのか見せてください」と請求できる仕組みです。市役所の窓口で公的な記録の閲覧を申し込むイメージに近いものです。
記憶フック情報公開法といえば行政文書の開示を請求できる
廃棄物処理法
廃棄物の適正な処理と生活環境の保全を定める法律。
廃棄物処理法は、ごみ(廃棄物)を適正に分別・保管・運搬・処分させ、不法投棄を防いで生活環境を守ることを目的とした法律です。正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」といいます。廃棄物は家庭から出る一般廃棄物と、事業活動から出る産業廃棄物に分けられます。
IT分野では、パソコンやサーバなどを廃棄する際の適正処理が関係します。試験では、廃棄物を正しく処理させる法律であること、産業廃棄物と一般廃棄物の区別、後述のリサイクル法が「再利用」を促すのに対し本法は「適正な処理」を主眼とする点が問われます。
たとえごみを「決められた日に決められた分別で出す」地域のごみ出しルールを、社会全体に広げて法律にしたものです。勝手な投棄を禁じ、街の衛生を守ります。
記憶フック廃棄物処理法といえば廃棄物の適正処理と環境保全
リサイクル法
資源の再利用を促し循環型社会を目指す各種の法律の総称。
リサイクル法は、使い終わった製品を捨てずに資源として再利用(リサイクル)させ、限りある資源を有効活用する循環型社会を目指す法律群の総称です。対象品目ごとに、容器包装・家電・小型家電・自動車・食品などのリサイクル法があります。
IT機器に関わるのは、パソコンや携帯電話を回収・再資源化する小型家電リサイクル法などです。試験では、廃棄物処理法が「適正に処分する」ことを目的とするのに対し、リサイクル法は「資源として再び使う」ことを促す点の違い、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の一環である点が問われます。
たとえ飲み終わったペットボトルをごみ箱でなく回収ボックスに入れ、新しい製品に生まれ変わらせる流れを法律にしたものです。捨てずに資源として巡らせます。
記憶フックリサイクル法といえば資源を再利用する循環型社会
GX推進法
脱炭素と経済成長の両立を進めるグリーン化推進の法律。
GX推進法は、温室効果ガスの排出を減らす脱炭素化と経済成長の両立を目指す、グリーントランスフォーメーション(GX)を推進するための法律です。GXとは、化石燃料中心の社会をクリーンエネルギー中心へ転換し、産業構造ごと変革していく取り組みを指します。
この法律は、そうした変革に必要な投資を国として後押しする仕組みなどを定めています。試験では、GXが「脱炭素を経済成長の機会として進める」考え方であること、廃棄物・リサイクルといった従来の環境法に続く、比較的新しい環境・エネルギー分野の取り組みである点が問われます。
たとえガソリン車から電気自動車へ社会全体で乗り換えるのを、国が補助金や制度で後押しするようなものです。環境対策を負担でなく成長のチャンスに変えます。
記憶フックGX推進法といえば脱炭素と成長を両立するグリーン化推進