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経営資源を統合する情報システム(CRM・SCM・ERP・知識経営)

標準約 18 分経営管理システム

概要

本ユニットでは、顧客・供給・全社・知識といった経営資源を情報システムで把握・統合する仕組みを学びます。CRM・SCM・ERPという代表的な業務システムから、価値の流れを俯瞰するバリューチェーンマネジメント、無形の知識を活かすナレッジマネジメントとSECIモデルまでを扱う、経営管理システムの中核となる頻出分野です。

用語6

CRM

顧客との関係を一元管理し、関係強化と顧客満足の向上を図る手法。

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報や購買履歴・問い合わせ履歴などを一元的に管理し、顧客一人ひとりとの関係を深めて満足度や売上の向上につなげる経営手法・システムです。日本語では「顧客関係管理」と訳されます。 営業・販売・サポートなど顧客接点全体の情報を共有することで、適切な提案やきめ細かな対応が可能になります。試験では、供給側を扱うSCMとの対比で「顧客」を対象とする点が問われます。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係維持・深化に重点を置く考え方だと押さえましょう。

たとえなじみの常連客の好みや来店履歴をすべて覚えている老舗のお店のようなもの。一人ひとりに合った接客で、長く良い関係を続けることを狙います。

記憶フックCRMといえば顧客との関係を一元管理して関係を深める

SCM

原材料調達から販売までの供給の流れ全体を統合的に管理する手法。

SCM(Supply Chain Management)は、原材料の調達から生産・物流・販売に至る一連の供給の流れ(サプライチェーン)を、企業の枠を越えて統合的に管理する手法です。日本語では「供給連鎖管理」と訳されます。 各工程の情報を共有して連携を最適化することで、在庫の削減や納期短縮、欠品防止などを実現します。試験では、顧客側を扱うCRMとの対比で「供給(モノの流れ)」を対象とする点が問われます。一社内だけでなく取引先まで含めた全体最適を目指す点が特徴です。

たとえ畑から食卓まで、農家・市場・スーパーが連携して無駄なく新鮮な野菜を届ける流れのようなもの。バケツリレー全体をうまくつなぐ管理です。

記憶フックSCMといえば調達から販売までの供給の流れを統合管理

ERP

経営資源を統合管理し、全社の業務情報を一元化する基幹システム。

ERP(Enterprise Resource Planning)は、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を全社的に統合管理し、会計・販売・購買・生産・人事などの業務情報を一つのシステムで一元化する考え方・基幹システムです。日本語では「企業資源計画」と訳されます。 部門ごとにばらばらだった情報を統合することで、経営状況をリアルタイムに把握し、迅速な意思決定を支援します。試験では、CRMやSCMといった個別領域を全社レベルで統合する位置づけが問われます。これを実現する統合パッケージソフトをERPパッケージと呼ぶ点も押さえましょう。

たとえ家計簿・予定表・在庫メモがすべて一冊のノートにまとまっている状態のようなもの。バラバラの帳簿を一つにして、家全体のお金とモノの動きが一目で分かります。

記憶フックERPといえば経営資源を全社で統合管理する基幹システム

ERP(経営資源を統合)

会計

販売・購買

生産

人事

バリューチェーンマネジメント

企業活動を価値の連鎖と捉え、各活動の価値を高めて競争力を強化する管理。

バリューチェーンマネジメントは、調達・製造・物流・販売・サービスといった一連の企業活動を「価値を生み出す連鎖(バリューチェーン)」として捉え、各活動が生む価値を高めながら全体を管理する考え方です。 各活動のどこで付加価値が生まれ、どこにコストや無駄があるかを分析し、強みを伸ばし弱みを改善して競争力を高めます。試験では、活動を価値の連鎖として捉える視点や、SCMが「モノの流れ」を扱うのに対し「価値の流れ」を戦略的に俯瞰する枠組みである点が問われます。主活動と支援活動に分けて分析する点も押さえましょう。

たとえ料理を「仕入れ→下ごしらえ→調理→盛り付け→提供」の各工程に分け、どの工程が美味しさ(価値)を生んでいるかを見直すようなもの。価値の生まれる場所を磨きます。

記憶フックバリューチェーンマネジメントといえば企業活動を価値の連鎖として管理

ナレッジマネジメント

個人が持つ知識やノウハウを組織で共有・活用し競争力を高める経営手法。

ナレッジマネジメントは、社員一人ひとりが持つ知識・経験・ノウハウを組織全体で共有・蓄積・活用し、企業の競争力を高める経営手法です。日本語では「知識管理」と訳されます。 ベテランの暗黙知を文書やデータベースとして見える化し、組織の財産として再利用できるようにします。試験では、CRM・SCM・ERPが扱う「有形の経営資源」に対し、「無形の知識資源」を対象とする点が問われます。次に学ぶSECIモデルが、この知識共有を支える理論的な土台となる点も押さえましょう。

たとえベテラン職人が頭の中だけに持つ「コツ」を、レシピやマニュアルにして店の全員が使えるようにするようなもの。個人の宝を組織の宝に変えます。

記憶フックナレッジマネジメントといえば個人の知識を組織で共有・活用

SECIモデル

暗黙知と形式知の変換を4過程で示し、知識創造を説明するモデル。

SECIモデル(セキモデル)は、個人の暗黙知と組織の形式知が相互に変換され、新たな知識が生み出される過程を説明する知識創造モデルです。共同化(S)・表出化(E)・連結化(C)・内面化(I)の4段階の頭文字をとっています。 共同化は体験で暗黙知を共有、表出化は暗黙知を言葉や図で形式知化、連結化は形式知どうしを組み合わせ、内面化は形式知を実践して再び暗黙知にする過程です。試験では、4段階の順序と「暗黙知と形式知の変換」というキーワード、ナレッジマネジメントの理論的基盤である点が問われます。スパイラル状に繰り返して知識が深化する点も押さえましょう。

たとえ先輩の技を見て盗み(共同化)、言葉にしてメモし(表出化)、他のメモとまとめて手順書を作り(連結化)、実践して自分の体に染み込ませる(内面化)、という学びのサイクルのようなものです。

記憶フックSECIモデルといえば暗黙知と形式知を変換する4過程の知識創造

共同化(S)

表出化(E)

連結化(C)

内面化(I)

まとめ

要点

  • CRMは顧客(顧客資源)、SCMは供給(モノの流れ)を対象とする対の概念で、どちらを扱うかの区別が頻出。
  • ERPはヒト・モノ・カネ・情報の経営資源を全社で統合管理する基幹システムで、CRM/SCMの個別領域を一元化する。
  • バリューチェーンマネジメントは企業活動を価値の連鎖として捉え、SCMの『モノの流れ』に対し『価値の流れ』を戦略的に俯瞰する。
  • ナレッジマネジメントは有形資源ではなく無形の知識資源を組織で共有・活用する手法である。
  • SECIモデルは共同化→表出化→連結化→内面化の4過程で暗黙知と形式知を変換する知識創造モデルで、ナレッジマネジメントの理論的基盤。

記憶フック一覧

  • CRM: CRMといえば顧客との関係を一元管理して関係を深める
  • SCM: SCMといえば調達から販売までの供給の流れを統合管理
  • ERP: ERPといえば経営資源を全社で統合管理する基幹システム
  • バリューチェーンマネジメント: バリューチェーンマネジメントといえば企業活動を価値の連鎖として管理
  • ナレッジマネジメント: ナレッジマネジメントといえば個人の知識を組織で共有・活用
  • SECIモデル: SECIモデルといえば暗黙知と形式知を変換する4過程の知識創造

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。