用語(5)
AI社会原則
国が定めた、AIを社会で活用する際に守るべき最上位の基本原則。
AI社会原則は、日本政府が示した「人間中心のAI社会原則」を指し、AIを社会全体で適切に活用するための最も上位の理念です。人間中心、教育・リテラシー、プライバシー確保、セキュリティ確保、公正競争、公平性・説明責任と透明性、イノベーションといった原則からなります。
AIを開発・利用するすべての関係者が共有すべき土台で、個別のガイドラインや原則はこれを具体化したものです。試験では「人間中心」がキーワードで、AIはあくまで人間の能力を補い、人間の尊厳を尊重して使うという考え方が問われます。
たとえ国の交通行政でいう「安全第一」という最上位の方針のようなもの。細かな交通ルールはすべてこの大方針を実現するために作られます。
記憶フックAI社会原則といえば人間中心を掲げる国の最上位原則
AI利活用ガイドライン
AIを利用する側が留意すべき事項を整理した利活用の指針。
AI利活用ガイドラインは、AI社会原則を具体化し、AIを「利用する側」が配慮すべき点をまとめた指針です。総務省が示したもので、適正な利用や安全性・プライバシーへの配慮、利用者への説明など、実際にAIを使う場面での心得を示します。
理念であるAI社会原則と、その下の個別原則(AI利活用原則)をつなぐ位置づけです。試験では、開発者向けではなく「利用者・サービス提供者」側の指針である点や、原則を実務に落とし込む具体策という性格が問われます。
たとえ「車の安全運転マニュアル」のようなもの。安全第一という大方針を、運転する人が現場で何に気をつけるかという形にかみ砕いたものです。
記憶フックAI利活用ガイドラインといえば利用者向けの配慮事項をまとめた指針
AI利活用原則
利活用ガイドラインが掲げる、AI利用時に守るべき個別の原則群。
AI利活用原則は、AI利活用ガイドラインの中で示される具体的な原則の集まりです。適正利用・適正学習・連携・安全・セキュリティ・プライバシー・尊厳と自律・公平性・透明性・アカウンタビリティ(説明責任)といった項目があり、利用場面ごとの行動指針になります。
ガイドラインという文書全体に対し、その中身を構成する個別の原則という関係です。試験では、透明性や説明責任(アカウンタビリティ)など、AIの判断を説明できることや責任の所在を明確にする考え方がよく問われます。ガイドラインとセットで内訳として理解しましょう。
たとえ安全運転マニュアルの中の「飲酒運転禁止」「速度を守る」「同乗者の安全に配慮」といった一項目ずつのルールにあたります。
記憶フックAI利活用原則といえばガイドラインの中の個別ルール群
倫理ガイドライン
AIを倫理的に開発・利用するための行動規範を示した指針。
倫理ガイドラインは、AIを開発・提供・利用するうえで守るべき倫理的な行動規範を示す指針の総称です。差別や偏見を生まないこと、人権やプライバシーを守ること、判断の根拠を説明できること、悪用しないことなどを求めます。
利用面の手順を示す利活用系に対し、こちらは「人としての正しさ・公正さ」という価値判断の軸を提供します。試験では、AIが学習データの偏りによって差別的な結果を出す「バイアス」への配慮や、人間の尊厳を守る姿勢といった倫理的観点が問われます。
たとえ医師が守る「ヒポクラテスの誓い」のようなもの。技術の使い方そのものより、「人として越えてはいけない一線」を定める良心の規範です。
記憶フック倫理ガイドラインといえばAIを正しく扱う良心の行動規範
人工知能学会倫理指針
人工知能学会が定めた、研究者・技術者向けのAI倫理指針。
人工知能学会倫理指針は、AIの研究者・技術者でつくる人工知能学会が、会員が守るべき倫理を定めた指針です。人類への貢献、他者の尊重、安全性、誠実な行動、社会への説明責任などを掲げ、特徴的なのはAI自身にも倫理指針を守らせるよう求める条項がある点です。
国や省庁の指針が社会全体向けなのに対し、これは専門家団体が自主的に定めた代表的な倫理指針という位置づけです。試験では、倫理ガイドラインの具体例として「人工知能学会が定めた」ものである点を押さえておきましょう。
たとえ弁護士会や医師会が会員のために定める「職業倫理規定」のようなもの。その分野の専門家が自分たちで守るべき道徳を取り決めたものです。
記憶フック人工知能学会倫理指針といえば専門家団体が定めたAI倫理の代表例