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処理形態とシステム構成の基本

標準約 18 分システムの構成

概要

処理をどこで行うか(集中・分散・並列)と、機器同士がどう役割分担するか(クライアントサーバ・ピアツーピア・Webシステム)という、システム構成の最も基礎的な分類を学ぶ単元です。これらは冗長化や仮想化を理解する土台であり、各方式の長所・短所の対比が試験で繰り返し問われます。

用語6

集中処理

1台のコンピュータに処理を集めて一括して行うシステム形態。

集中処理は、ホストコンピュータなど1か所にすべての処理を集めて実行する方式です。最も古くから使われてきた基本形で、管理やセキュリティ対策を1か所で行えるため運用しやすいのが利点です。 一方で、中心となるコンピュータが故障するとシステム全体が止まってしまう(単一障害点になる)弱点があります。次に学ぶ分散処理との対比で、この長所・短所がよく問われます。 試験では「集中処理は管理が容易だが障害に弱い」「分散処理は障害に強いが管理が複雑」という対の関係で整理して覚えると確実です。

たとえ1人の優秀な料理長がすべての注文を1か所でさばくレストラン。統率は取れますが、その人が倒れると店全体が止まってしまうイメージです。

記憶フック集中処理といえば1か所に集約・管理は容易だが障害に弱い

分散処理

複数のコンピュータに処理を分けて連携させながら行うシステム形態。

分散処理は、複数のコンピュータに処理を分担させ、互いに通信・連携しながら全体の処理を進める方式です。集中処理の対概念にあたります。 一部の機器が故障しても他の機器で処理を続けられるため障害に強く、機器を増やすことで処理能力を拡張しやすい利点があります。反面、複数の機器を協調させる必要があるため、管理・運用は複雑になります。 試験では集中処理との比較が定番です。分散処理は「障害に強い・拡張しやすいが、管理が複雑」という特徴を、集中処理の裏返しとして押さえましょう。

たとえ複数の料理人が役割を分けて調理するレストラン。1人が休んでも店は回りますが、連携を取るための調整役が必要になるイメージです。

記憶フック分散処理といえば複数台で分担・障害に強いが管理は複雑

処理形態

集中処理
1台に集約

分散処理
複数台に分担

管理は容易
障害に弱い

障害に強い
管理は複雑

並列処理

1つの処理を複数の装置で同時に分担して高速に行う方式。

並列処理は、1つの大きな処理を複数のCPUやコンピュータに割り当て、同時並行で実行することで全体の処理時間を短縮する方式です。 分散処理が「離れた複数の機器に処理を分けて連携する」ことに重点を置くのに対し、並列処理は「複数の装置で同時に実行して高速化する」ことに重点を置きます。両者は密接に関係しますが、目的の軸が異なる点に注意しましょう。 試験では、処理を同時に行うことで性能を上げる仕組みであること、複数のプロセッサを活用する点が問われます。集中→分散→並列という発展の流れで理解すると整理しやすくなります。

たとえ大量の答案を複数の採点者で手分けして同時に採点するイメージ。人数を増やすほど早く終わります。

記憶フック並列処理といえば複数装置で同時実行して高速化

クライアントサーバシステム

サービスを要求するクライアントと提供するサーバで役割分担する構成。

クライアントサーバシステムは、サービスを要求する側(クライアント)と、要求に応えてサービスを提供する側(サーバ)に役割を分けて連携させる構成です。処理の置き場所から、機器間の役割分担へと視点が移る代表的なモデルです。 クライアントは利用者の端末、サーバはデータやアプリケーションを集中管理する側で、両者が要求と応答をやり取りします。次に学ぶピアツーピア(対等な関係)との対比が試験の定番です。 試験では、サーバに機能が集中するため管理しやすい一方、サーバに負荷や障害が集中しやすいといった特徴が、対等型のピアツーピアと比較して問われます。

たとえレストランで注文する客(クライアント)と料理を出す厨房(サーバ)の関係。客は頼むだけ、厨房が応えるという役割分担のイメージです。

記憶フッククライアントサーバシステムといえば要求する側と提供する側の役割分担

要求

応答

要求

応答

クライアント
要求する側

サーバ
提供する側

クライアント

ピアツーピア

各機器が対等な立場で直接やり取りするネットワーク構成。

ピアツーピア(P2P)は、特定のサーバを置かず、参加する機器(ピア)がすべて対等な立場で互いに直接データをやり取りする構成です。各機器がクライアントにもサーバにもなります。 クライアントサーバ型の対概念です。中心となるサーバがないため、1台が止まっても全体は影響を受けにくく、サーバへの負荷集中も避けられます。反面、各機器の管理がばらばらになりやすく、セキュリティ統制が難しいという弱点があります。 試験では「対等」「サーバ不要」「直接通信」がキーワードです。クライアントサーバとの役割の違いを対比で覚えましょう。

たとえ店員と客の区別がなく、参加者全員が直接モノを貸し借りするフリーマーケットのようなイメージです。

記憶フックピアツーピアといえば対等な機器同士が直接やり取り

Webシステム

Web技術を用い、ブラウザ経由でサービスを提供する仕組み。

Webシステムは、Webブラウザをクライアントとして使い、HTTPなどのWeb技術を通じてサーバが提供する機能を利用する仕組みです。クライアントサーバ型をWeb技術で具体化した代表的な応用形です。 利用者は専用ソフトを入れなくてもブラウザさえあればサービスを使え、機能の更新もサーバ側で行えるため運用しやすいのが特徴です。一般的にはWebサーバ・アプリケーションサーバ・データベースサーバが連携する多層(3層)構成で実現されます。 試験では、ブラウザを使うクライアントサーバの一形態であること、サーバ側で集中管理できる利点が問われます。クライアントサーバの具体例として位置づけて理解しましょう。

たとえ専用の道具を持たなくても、共用の窓口(ブラウザ)から誰でもサービスを受けられる役所の窓口のようなイメージです。

記憶フックWebシステムといえばブラウザで使うクライアントサーバの応用形

まとめ

要点

  • 処理形態は集中処理→分散処理→並列処理の流れで理解する。集中は管理が容易だが障害に弱く、分散は障害に強いが管理が複雑、という対比が最頻出。
  • 並列処理は複数の装置で同時実行して処理を高速化する方式で、性能向上が目的。
  • 機器間の役割分担にはクライアントサーバ型(要求側と提供側に分担)とピアツーピア型(全機器が対等)があり、対比で問われる。
  • ピアツーピアはサーバ不要で対等・直接通信だが、管理やセキュリティ統制が難しい。
  • WebシステムはWeb技術でクライアントサーバを具体化した応用形で、ブラウザから利用しサーバ側で集中管理できる。

記憶フック一覧

  • 集中処理: 集中処理といえば1か所に集約・管理は容易だが障害に弱い
  • 分散処理: 分散処理といえば複数台で分担・障害に強いが管理は複雑
  • 並列処理: 並列処理といえば複数装置で同時実行して高速化
  • クライアントサーバシステム: クライアントサーバシステムといえば要求する側と提供する側の役割分担
  • ピアツーピア: ピアツーピアといえば対等な機器同士が直接やり取り
  • Webシステム: Webシステムといえばブラウザで使うクライアントサーバの応用形

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。