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可用性と信頼性のためのシステム構成

標準約 18 分システムの構成

概要

本ユニットでは、複数の機器やディスクを組み合わせてシステムを止めず、データを失わないための冗長化構成を学ぶ。デュアル・デュプレックス・クラスタといった機器の二重化から、レプリケーション・RAID・NAS というデータ面の信頼性確保までを扱う。可用性と信頼性は試験で頻出のテーマで、特に各方式の違い(同時稼働か待機か等)が問われる。

用語6

デュアルシステム

2系統を同時に稼働させ、結果を相互照合して信頼性を高める冗長構成。

デュアルシステムは、まったく同じ処理を2つの系統で同時に実行し、両者の結果を突き合わせて誤りがないか確認する方式です。常に2系統が動いているため、片方が故障してももう片方で処理を続けられ、信頼性が非常に高くなります。 試験では「待機系を持つデュプレックスシステム」との違いがよく問われます。デュアルは『両方とも本番稼働+結果照合』、デュプレックスは『片方は待機』という点が決定的な区別です。コストは高いが高信頼が求められる銀行のオンライン処理などに使われます。

たとえ重要な計算を2人が別々に解き、答えが一致するか毎回突き合わせるようなもの。1人がミスしても、もう1人の答えで気づける。

記憶フックデュアルシステムといえば2系統同時稼働で結果照合

デュプレックスシステム

現用系が稼働し、もう一方を待機系として備える二重化構成。

デュプレックスシステムは、片方を現用系(本番)として動かし、もう片方を待機系として備えておく方式です。現用系が故障したら待機系に切り替えて処理を継続します。待機系の備え方には、起動・同期させておき即座に切り替えられるホットスタンバイ、待機系を停止しておき故障時に起動してから切り替える(切替に時間がかかる)コールドスタンバイなどがあります。 試験では名前が似たデュアルシステムとの対比が定番です。デュプレックスは『片方が待機』なので無駄が少なくコストを抑えられる一方、切り替えに時間がかかる場合があります。同時稼働で照合するデュアルとの違いを押さえましょう。

たとえ野球の先発投手と控え投手のような関係。普段は先発が投げ、調子が悪くなったら控えが登板して試合を続ける。

記憶フックデュプレックスシステムといえば現用系+待機系で切り替え

故障

現用系(稼働)

待機系へ切替

待機系(稼働)

クラスタ

複数のコンピュータを連携させ1つのシステムに見せる構成。

クラスタは、複数台のコンピュータをネットワークでまとめ、利用者からは1つのシステムのように見せる構成です。目的は大きく2つで、1台が故障しても他の台で処理を引き継ぐ『可用性向上(HAクラスタ)』と、処理を分担して性能を上げる『負荷分散・高性能化』があります。 試験では、二重化(デュアル・デュプレックス)の発展形として複数台を束ねる点が問われます。台数を増やせばさらに止まりにくく・速くできる、というスケールしやすさがクラスタの特徴です。

たとえ1人では運べない荷物を複数人で分担して運ぶチーム。誰かが抜けても他のメンバーで仕事を続けられる。

記憶フッククラスタといえば複数台を束ねて1つに見せる

レプリケーション

データを別の場所に複製し、同じ内容を保持する仕組み。

レプリケーションは、あるデータを別のサーバやディスクへ複製(コピー)し、同じ内容を持たせ続ける技術です。元のデータが壊れたり、サーバが止まったりしても、複製先のデータで処理を続けられるため、信頼性と可用性が高まります。 機器の二重化が『装置』を複製するのに対し、レプリケーションは『データ』を複製する点が試験での着目点です。バックアップが過去の一時点を保存するのに対し、レプリケーションは更新を反映して常に最新を保つ点も区別して覚えましょう。

たとえ大事な書類を作るたびに、同じものをもう1部すぐ別の引き出しにも入れておくようなもの。片方を失っても困らない。

記憶フックレプリケーションといえばデータを複製して同じ内容を保持

RAID

複数のディスクを束ね、冗長化や高速化を図るストレージ技術。

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクを1つにまとめて、データを分散・複製して保存する技術です。1台が壊れても他のディスクからデータを復元できる『冗長化』や、読み書きを分担する『高速化』を実現します。本ユニットで最頻出の用語なので、確実に押さえましょう。 試験では代表的な方式の違いが問われます。RAID0は分散書き込み(ストライピング)で高速だが冗長性なし、RAID1は同じデータを2台に書く複製(ミラーリング)で安全、RAID5はパリティ(故障ディスクのデータを復元するための冗長情報)を各ディスクに分散させ容量効率と冗長性を両立します。RAID0は信頼性向上ではない点に注意。

たとえ同じ資料を複数のキャビネットに分けて保管する仕組み。1つが燃えても他から復元でき、分担すれば出し入れも速い。

記憶フックRAIDといえば複数ディスクで冗長化・高速化

RAID

RAID0 ストライピング 高速

RAID1 ミラーリング 複製

RAID5 パリティ分散 容量効率と冗長性

NAS

ネットワークに直接接続し、複数機器でファイルを共有する記憶装置。

NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークに直接つながる専用のファイルサーバ型ストレージです。LAN上の複数のパソコンやサーバから、同じファイルを共有してアクセスできます。内部にRAIDを備える製品が多く、データの信頼性も確保できます。 試験では『ネットワーク経由でファイル単位で共有する』点が特徴として問われます。各PCに直接つなぐ外付けディスク(DAS)と違い、NASは1台を皆で共有できるため、データの一元管理やバックアップがしやすくなります。

たとえオフィスの共用書庫のようなもの。誰でもネットワーク越しに同じ棚へアクセスでき、資料を皆で出し入れできる。

記憶フックNASといえばネットワーク接続でファイル共有するストレージ

まとめ

要点

  • 冗長化は『機器の二重化』と『データの複製』の2系統で理解する。デュアル/デュプレックス/クラスタは機器、レプリケーション/RAID/NASはデータ・ストレージ面の信頼性確保。
  • デュアル(2系統同時稼働+結果照合)とデュプレックス(現用系+待機系で切替)の違いは最頻出の対比ポイント。
  • RAIDは本ユニット最頻出。RAID0(高速・冗長なし)/RAID1(ミラーリング)/RAID5(パリティ分散)の特徴を区別する。
  • クラスタは二重化の発展形で、複数台を束ねて可用性向上と負荷分散の両方に使える。
  • NASはネットワーク接続でファイルを共有するストレージで、内部にRAIDを持つことが多い。

記憶フック一覧

  • デュアルシステム: デュアルシステムといえば2系統同時稼働で結果照合
  • デュプレックスシステム: デュプレックスシステムといえば現用系+待機系で切り替え
  • クラスタ: クラスタといえば複数台を束ねて1つに見せる
  • レプリケーション: レプリケーションといえばデータを複製して同じ内容を保持
  • RAID: RAIDといえば複数ディスクで冗長化・高速化
  • NAS: NASといえばネットワーク接続でファイル共有するストレージ

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。