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OSI基本参照モデルと7階層

標準約 23 分通信プロトコル

概要

このユニットでは、通信機能を役割ごとに7つの層へ分けて整理する「OSI基本参照モデル」と、各階層が果たす役割を学ぶ。各プロトコルがどの層で動くかを語る共通の枠組みであり、以降のプロトコルを位置づける前提となる。試験でも階層の順番と役割の対応が問われる重要分野である。

用語8

OSI基本参照モデル

通信機能を役割ごとに7階層へ分けて整理した国際標準の枠組み。

OSI基本参照モデルは、複雑なネットワーク通信の機能を役割ごとに7つの層(レイヤ)に分けて整理した、ISOが定めた国際標準の考え方です。下位の層ほどハードウェアに近い物理的な伝送を、上位の層ほど利用者やアプリケーションに近い処理を担当します。 試験では、層を分ける目的(各層を独立して設計・変更できる)や、第1層から第7層までの順番と各層の役割の対応が問われます。実際のインターネットで使われるTCP/IPモデルとは層の数が異なりますが、通信を階層で整理する共通の物差しとしてOSIモデルが基本になります。

たとえ手紙が届く流れを「文章を書く人・封筒に入れる人・配達する人」と役割分担するイメージ。各担当は自分の仕事だけに集中すればよく、誰かが変わっても全体は回ります。

記憶フックOSI基本参照モデルといえば通信機能を7階層に分けた国際標準の枠組み

第7層 アプリケーション層

第6層 プレゼンテーション層

第5層 セション層

第4層 トランスポート層

第3層 ネットワーク層

第2層 データリンク層

第1層 物理層

物理層

OSIの第1層。電気信号やケーブルなどでビットを物理的に伝送する層。

物理層はOSI基本参照モデルの最下位(第1層)で、データを電気信号や光、電波などの物理的な形に変換し、ケーブルやコネクタを通じてビット列をそのまま送受信する役割を担います。 試験では、最も下の階層であること、扱う対象が0と1のビットそのものである点が問われます。LANケーブルやコネクタの形状、伝送される信号レベルなど「物理的な取り決め」を担当する層だと押さえましょう。データの中身の意味は扱わず、ひたすら信号を流す層です。

たとえ電話で言えば、声を電気信号に変えて電線に流す部分。何を話しているかは気にせず、音を物理的に届けることだけを担当します。

記憶フック物理層といえば第1層でビットを電気信号として物理的に伝送する層

データリンク層

OSIの第2層。直接つながった隣接ノード間で確実にデータを伝送する層。

データリンク層は第2層で、物理層が運ぶビット列を意味のあるまとまり(フレーム)にまとめ、直接ケーブルなどでつながった隣り合う機器(隣接ノード)の間で確実にデータをやり取りする役割を担います。誤りの検出なども行います。 試験では、対象が「隣接ノード間」という近距離の1対1の伝送である点がポイントです。離れた相手まで経路を選んで届けるネットワーク層と混同しないようにしましょう。MACアドレスを使った同一ネットワーク内の伝送がこの層のイメージです。

たとえ隣の部屋へ手渡しで荷物を渡すイメージ。すぐ隣の相手に、間違いなく確実に渡すことだけを担当し、遠くの相手への配送ルートは考えません。

記憶フックデータリンク層といえば第2層で隣接ノード間を確実に伝送する層

ネットワーク層

OSIの第3層。離れた相手まで経路を選んでデータを届ける層。

ネットワーク層は第3層で、複数のネットワークをまたいで、離れた相手(エンドツーエンド)までデータを届けるための経路選択(ルーティング)とアドレス管理を担当します。 試験では、隣接ノード間だけを扱うデータリンク層との違い、すなわち「どの道を通って遠くまで届けるか」を決める層である点が問われます。IPアドレスを使って宛先を識別し、最適な経路を選ぶ働きがこの層のイメージで、ルータが動作する層として覚えておくと整理しやすいです。

たとえ宅配便で、住所を見て「どの集配所を経由して届けるか」配送ルートを決める部門のようなもの。遠くの相手にも道順を選んで届けます。

記憶フックネットワーク層といえば第3層で経路を選び離れた相手へ届ける層

トランスポート層

OSIの第4層。端末間でデータを過不足なく信頼性高く転送する層。

トランスポート層は第4層で、送信側と受信側の端末(アプリケーション)の間で、データが欠けたり順番が入れ替わったりしないよう、信頼性のある転送を管理する役割を担います。必要に応じて再送や順序の整理を行います。 試験では、この層の上にTCPやUDPといったプロトコルが位置づけられる点が重要です(次のユニットで学びます)。経路を選ぶネットワーク層の上で、「届いたデータをきちんと相手のアプリへ過不足なく渡す」品質保証を担う層だと押さえましょう。

たとえ荷物を分割して送るとき「全部の箱が届いたか・順番通りか」を確認し、欠けていれば送り直す検品係のイメージ。最終的に中身が揃うよう面倒を見ます。

記憶フックトランスポート層といえば第4層で端末間を信頼性高く転送する層

セション層

OSIの第5層。通信の開始から終了までの一連のやり取りを管理する層。

セション層は第5層で、通信相手との「会話(セション)」を確立し、その維持・同期・終了といった一連のやり取りの流れを管理する役割を担います。いつ通信を始め、いつ区切り、いつ終えるかを取り決めます。 試験では、データそのものではなく「対話の開始・継続・終了の管理」を担う層である点が問われます。下位のトランスポート層が転送そのものを保証するのに対し、セション層は通信の論理的なまとまり(始まりと終わり)を管理する層だと区別して覚えましょう。

たとえ電話で「もしもし」と話し始め、用件を話し、「では失礼します」と切るまでの一連の流れを取り仕切る役。会話の始めと終わりの段取りを管理します。

記憶フックセション層といえば第5層で通信の開始から終了までを管理する層

プレゼンテーション層

OSIの第6層。データの表現形式を相互に変換し意味を保つ層。

プレゼンテーション層は第6層で、アプリケーションが扱うデータの表現形式(文字コードや符号化、暗号化・圧縮など)を、送受信の双方で正しく解釈できる形に変換する役割を担います。 試験では、データの「表現形式・見せ方の変換」を担当する層であり、データの意味内容そのものを扱うアプリケーション層とは役割が異なる点が問われます。たとえば文字コードの違いを吸収し、相手が読める形に整えるのがこの層のイメージで、名前のとおり「データの表現(プレゼンテーション)」を担う層と覚えましょう。

たとえ通訳のように、言語(表現形式)の違いを変換して相手に通じる形に整える役。話の中身は変えず、伝わる形式に翻訳する担当です。

記憶フックプレゼンテーション層といえば第6層でデータの表現形式を変換する層

アプリケーション層

OSIの第7層(最上位)。利用者やアプリに直接サービスを提供する層。

アプリケーション層はOSI基本参照モデルの最上位(第7層)で、利用者やアプリケーションソフトウェアに対して、通信サービスを直接提供する役割を担います。Webやメールなど、人が実際に使う機能に最も近い層です。 試験では、最上位の層であること、そして次のユニットで学ぶHTTPやSMTPなどの応用プロトコルがこの層に属する点が問われます。物理的な信号を扱う最下位の物理層と対極にあり、利用者に最も近い「サービスの窓口」となる層だと押さえておきましょう。

たとえお店で言えば、お客さんと直接やり取りする接客カウンター。裏方の配送や物流は気にせず、利用者に見えるサービスを提供する窓口です。

記憶フックアプリケーション層といえば第7層で利用者に直接サービスを提供する層

まとめ

要点

  • OSI基本参照モデルは通信機能を7階層に分けて整理した国際標準で、各プロトコルがどの層で動くかを語る共通の枠組み。
  • 層は第1層(物理層)から第7層(アプリケーション層)まであり、下位ほど物理的伝送、上位ほど利用者に近い処理を担う。
  • データリンク層は隣接ノード間、ネットワーク層は離れた相手への経路選択と、扱う範囲の違いが頻出の区別ポイント。
  • トランスポート層は端末間の信頼性ある転送を担い、次ユニットのTCP/UDPの土台となる層。
  • アプリケーション層(第7層)には応用プロトコルが属し、物理層(第1層)と対極の利用者に最も近い層。

記憶フック一覧

  • OSI基本参照モデル: OSI基本参照モデルといえば通信機能を7階層に分けた国際標準の枠組み
  • 物理層: 物理層といえば第1層でビットを電気信号として物理的に伝送する層
  • データリンク層: データリンク層といえば第2層で隣接ノード間を確実に伝送する層
  • ネットワーク層: ネットワーク層といえば第3層で経路を選び離れた相手へ届ける層
  • トランスポート層: トランスポート層といえば第4層で端末間を信頼性高く転送する層
  • セション層: セション層といえば第5層で通信の開始から終了までを管理する層
  • プレゼンテーション層: プレゼンテーション層といえば第6層でデータの表現形式を変換する層
  • アプリケーション層: アプリケーション層といえば第7層で利用者に直接サービスを提供する層

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。