用語(7)
サイバー空間
コンピュータやネットワーク上に広がる、情報がやり取りされる仮想的な活動空間。
サイバー空間とは、インターネットやコンピュータネットワークによって作られる、情報のやり取りや活動が行われる仮想的な世界のことです。現実の物理空間に対して、デジタルなつながりの場を指します。
SNSやネット通販、業務システムなど、私たちの活動の多くがこの空間で行われるようになり、その分だけ攻撃や被害の舞台にもなります。試験では難しい数値より、情報セキュリティを考える前提となる「活動の場」がサイバー空間である、という位置づけを理解できれば十分です。
たとえ現実の街が買い物や交流の場であるように、サイバー空間はネット上にできた「もう一つの街」。便利な反面、空き巣やスリにあたる攻撃も起こります。
記憶フックサイバー空間といえばネット上に広がる仮想の活動の場
サイバー攻撃
サイバー空間でシステムや情報資産を狙って行われる悪意ある攻撃の総称。
サイバー攻撃とは、ネットワークやコンピュータを通じて、情報資産やシステムを破壊・改ざん・盗み出したり、停止させたりする悪意ある行為の総称です。マルウェア感染、不正アクセス、なりすまし、サービス妨害など多くの手口が含まれます。
このユニット以降で学ぶ個別の脅威や攻撃手法は、すべてサイバー攻撃という大きなくくりの中にあります。試験では、特定の手口を問う前提として「サイバー空間で起こる攻撃全般」を指す総称語であること、攻撃の対象が情報資産である点を押さえておきましょう。
たとえ街で起こる泥棒・破壊・嫌がらせをまとめて「犯罪」と呼ぶように、ネット上の悪事をまとめて呼ぶ言葉がサイバー攻撃です。
記憶フックサイバー攻撃といえばサイバー空間での悪意ある行為の総称
情報資産
組織にとって価値があり守るべき情報やそれを扱う仕組みの総称。
情報資産とは、組織や個人にとって価値があり、守るべき対象となる情報全般を指します。顧客名簿や設計データなどの情報そのものに加え、それを記録した媒体、扱うソフトウェアやハードウェア、さらに人や紙の書類まで含めて考えます。
情報セキュリティとは、この情報資産を脅威から守る活動だと言えます。試験では、情報資産が「データだけ」ではなく、それを支える機器・媒体・人なども含む広い概念であること、そして守る対象としての位置づけが問われます。守る対象を明確にして初めて、何から守るかを考えられます。
たとえ店にとっての商品・現金・顧客台帳・レジ・従業員が守るべき財産であるように、組織にとって守るべきデータや仕組みをまとめたものが情報資産です。
記憶フック情報資産といえば組織が守るべき価値ある情報と仕組み
漏えい
情報が許可なく外部へ流出し、秘密が知られてしまう被害(機密性の侵害)。
漏えいとは、本来見せてはいけない情報が外部に流出し、第三者に知られてしまう被害のことです。顧客情報の流出やパスワードの盗み見などが典型例で、情報セキュリティの三大特性のうち「機密性」が損なわれた状態にあたります。
紛失や破損が「情報を使えなくする」被害なのに対し、漏えいは「情報を知られてしまう」被害である点が違いです。試験では、漏えい=機密性の侵害という対応関係や、どの被害形態にあたるかを判断させる問題が出るため、被害の種類と特性の組合せを押さえましょう。
たとえ金庫の中身は無事でも、その中身を盗み見られて秘密がばれてしまう状態。物は減らないのに「知られた」こと自体が損害になります。
記憶フック漏えいといえば機密性が侵されて情報が外部に流出
紛失
情報や媒体を失い、必要なときに使えなくなる被害(可用性の侵害)。
紛失とは、情報そのものや、それを記録したUSBメモリ・ノートPCなどの媒体を失ってしまい、必要なときに利用できなくなる被害です。情報セキュリティの三大特性のうち、いつでも使える状態を表す「可用性」が損なわれた状態にあたります。
持ち出した機器を電車に置き忘れる、といった事例が典型で、漏えい(機密性侵害)につながることもあります。試験では、紛失が可用性に関わる被害であること、漏えい・破損と並ぶ基本的な被害形態の一つであることを区別できることが問われます。
たとえ大事な手帳をどこかに落としてしまい、書いてあった予定が確認できなくなる状態。手帳がないと「使いたいのに使えない」困りごとが起きます。
記憶フック紛失といえば可用性が侵されて情報が使えない
破損
情報やデータが壊れ・書き換えられ、正しい内容でなくなる被害(完全性の侵害)。
破損とは、データが壊れたり改ざんされたりして、本来の正しい内容が保てなくなる被害です。ファイルが壊れて開けない、内容が勝手に書き換えられる、といった状態が該当し、情報セキュリティの三大特性のうち、内容が正確で完全であることを表す「完全性」が損なわれた状態にあたります。
漏えい(機密性)・紛失(可用性)とあわせて、被害を三大特性に対応づける整理が重要です。試験では、改ざんやデータ破壊が完全性の侵害にあたるという対応関係が問われます。
たとえ契約書の金額を勝手に書き換えられたり、ページが破れて読めなくなったりして、もとの正しい内容が分からなくなる状態です。
記憶フック破損といえば完全性が侵されて内容が正しくない
クラッキング
悪意をもってシステムへ不正侵入し破壊・改ざん等を行う攻撃行為。
クラッキングとは、悪意をもってコンピュータやネットワークに不正に侵入し、データの破壊・改ざん・盗み出しなどを行う攻撃行為を指します。これを行う者をクラッカーと呼びます。
似た言葉のハッキングは本来「高度な技術でシステムを操作・解析すること」を広く指し、必ずしも悪意を伴いません。試験では、悪意ある不正行為を特に指すのがクラッキングである、という善悪のニュアンスの違いが問われます。サイバー攻撃を実際に行う「攻撃者側の行為」として位置づけて覚えましょう。
たとえ鍵をこじ開けて他人の家に侵入し、荒らしたり盗んだりする行為がクラッキング。「技術がある」こと自体ではなく、悪用する点が問題です。
記憶フッククラッキングといえば悪意ある不正侵入・破壊行為