教科書一覧へ

企業の社会的責任と環境対応

頻出約 21 分経営・組織論

概要

企業が利益追求だけでなく、社会や環境に対して負う責任とその取組みを学ぶ単元です。CSR を中核に、投資面の社会的責任投資(SRI)、責任の相手であるステークホルダ、国際目標の SDGs、IT 分野の環境配慮であるグリーンITやカーボンフットプリントを扱います。経営・組織論の頻出テーマで、用語の意味と狙いが繰り返し問われます。

用語7

CSR

企業が利益だけでなく社会や環境への責任を果たすべきとする考え方。

CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」を意味し、企業は法令を守り、環境保護・人権・地域貢献など社会全体への責任を果たすべきだという考え方です。 単に利益を上げるだけでなく、従業員や取引先、地域社会といったステークホルダ全体に配慮して持続的に活動することが求められます。試験では「企業の社会的責任」という言葉の意味そのものや、法令遵守(コンプライアンス)・環境配慮との関係が問われます。慈善活動(寄付)だけを指す言葉ではない点に注意しましょう。

たとえお店が「儲かればよい」ではなく、近所への騒音やゴミにも気を配り、地域に好かれて長く続ける姿勢に似ています。良き企業市民としての振る舞いです。

記憶フックCSRといえば企業の社会的責任

CSR 企業の社会的責任

法令遵守 コンプライアンス

環境への配慮

社会 地域への貢献

ステークホルダへの配慮

社会的責任投資

企業の社会的責任への取組みを評価して投資先を選ぶ投資手法。

社会的責任投資は、企業の利益や財務状況だけでなく、環境保護・人権・コンプライアンスといった社会的責任(CSR)への取組みを評価して投資先を選ぶ手法です。 CSR を「企業側の責任」とすれば、社会的責任投資は「投資する側の選び方」という対の関係にあります。社会的責任を果たす企業に資金が集まることで、企業の良い取組みを後押しする狙いがあります。試験では CSR との対応関係や、後述の SRI が同じ概念の英略称である点が問われます。

たとえ買い物で「安いから」だけでなく「環境にやさしい会社の商品だから」選ぶのと同じで、応援したい会社にお金を回す投資版の選び方です。

記憶フック社会的責任投資といえばCSR重視で投資先を選ぶ

SRI

社会的責任投資の英略称。CSR を重視して投資先を選ぶこと。

SRI(Socially Responsible Investment)は「社会的責任投資」の英略称で、直前の日本語名とまったく同じ概念を指します。 企業の財務面に加え、環境・社会・コンプライアンスへの取組みを評価軸に加えて投資先を選びます。試験では「SRI=社会的責任投資」という日本語名と英略称の対応を覚えておけば対応できます。日本語名と略称がペアで出題されやすいので、セットで記憶しましょう。

たとえ「社会的責任投資」というフルネームのニックネームが SRI、という関係です。中身は同じで呼び名が短くなっただけです。

記憶フックSRIといえば社会的責任投資の英略称

ステークホルダ

企業活動に利害関係をもつ関係者。利害関係者ともいう。

ステークホルダ(利害関係者)は、企業の活動によって影響を受けたり、企業に影響を与えたりする関係者全般を指します。株主・従業員・顧客・取引先・地域社会・行政などが含まれます。 企業が社会的責任を果たす相手がまさにこのステークホルダです。試験では「利害関係者」という訳語や、株主だけでなく従業員・顧客・地域社会まで幅広く含む点が問われます。株主(ストックホルダ)より広い概念である点に注意しましょう。

たとえ学校という組織なら、生徒・先生・保護者・近所の人まで全員が関係者です。企業も同じで、関わるみんながステークホルダです。

記憶フックステークホルダといえば企業の利害関係者

SDGs

国連が定めた2030年までの17の持続可能な開発目標。

SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)は、国連が2015年に採択した、2030年までに達成すべき17の国際目標です。貧困・飢餓の解消、気候変動対策、ジェンダー平等など、社会と環境の幅広い課題を含みます。 企業が社会的責任を具体的に果たす際の国際的な指針として広く参照されます。試験では「国連が定めた」「17の目標」「持続可能な開発目標」というキーワードが問われます。企業や個人の取組みの方向性を示す枠組みである点を押さえましょう。

たとえ世界みんなで取り組む「2030年までの17項目の目標リスト(ToDo)」のようなものです。国も企業も個人も同じリストを目指します。

記憶フックSDGsといえば国連の17の持続可能な開発目標

SDGs 持続可能な開発目標

社会の課題 貧困 教育 平等

環境の課題 気候変動 海と陸

経済の課題 働きがい 産業

国連が2015年に採択 17目標

グリーンIT

ITの利用・運用で環境負荷の低減を目指す取組み。

グリーンITは、IT機器の省エネ化やITの活用によって、環境への負荷を減らそうとする取組みです。「ITそのものを省エネにする」面と「ITを使って社会全体を省エネにする」面の両方を含みます。 前者の例はデータセンタの消費電力削減や省電力PCの利用、後者の例はテレワークで移動を減らすことなどです。試験では環境配慮とITを結びつけた概念である点や、具体例が問われます。CSRの環境責任をIT分野で実践する取組みと位置づけられます。

たとえエアコンを省エネ機種に替える(機器側)のと、オンライン会議で出張をやめる(使い方側)の両方で電気と燃料を節約するイメージです。

記憶フックグリーンITといえばITで環境負荷を減らす

カーボンフットプリント

商品やサービスの一生で排出される温室効果ガス量をCO2換算で示す指標。

カーボンフットプリントは、商品やサービスの原材料調達から製造・輸送・使用・廃棄までの一生(ライフサイクル)を通じて排出される温室効果ガスの量を、二酸化炭素(CO2)の量に換算して表す指標です。 排出量を「見える化」することで、消費者が環境負荷の小さい商品を選んだり、企業が削減目標を立てたりできます。試験では「CO2排出量を商品ごとに表示する」「ライフサイクル全体が対象」という点が問われます。環境負荷を定量化する具体的な指標として押さえましょう。

たとえ食品のカロリー表示の「CO2版」です。その商品が一生でどれだけ温室効果ガスを出すかが数字で分かるので、選ぶ目安になります。

記憶フックカーボンフットプリントといえばCO2排出量を見える化

まとめ

要点

  • CSR(企業の社会的責任)は、利益だけでなく環境・人権・地域貢献など社会全体への責任を果たす考え方。
  • 社会的責任投資(SRI)は、CSRへの取組みを評価して投資先を選ぶ手法で、CSRと対の関係にある。
  • ステークホルダ(利害関係者)は株主・従業員・顧客・地域社会まで含み、企業が責任を果たす相手である。
  • SDGsは国連が定めた2030年までの17の持続可能な開発目標で、社会的責任の国際的な指針となる。
  • グリーンITとカーボンフットプリントは、環境責任をIT・定量化の面で実践・見える化する取組み。

記憶フック一覧

  • CSR: CSRといえば企業の社会的責任
  • 社会的責任投資: 社会的責任投資といえばCSR重視で投資先を選ぶ
  • SRI: SRIといえば社会的責任投資の英略称
  • ステークホルダ: ステークホルダといえば企業の利害関係者
  • SDGs: SDGsといえば国連の17の持続可能な開発目標
  • グリーンIT: グリーンITといえばITで環境負荷を減らす
  • カーボンフットプリント: カーボンフットプリントといえばCO2排出量を見える化

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。