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人材育成の手法

頻出約 18 分経営・組織論

概要

本ユニットでは、企業が従業員を育成するための代表的な手法を学ぶ。実務を通じて学ぶOJTと実務を離れて学ぶOff-JTという二大分類を軸に、e-ラーニングやアダプティブラーニングといった学習手段、コーチング・メンタリングといった指導手法を扱う。ITパスポートでは各手法の定義と使い分けがよく問われる頻出テーマである。

用語6

OJT

実際の業務を通じて、上司や先輩が部下に必要な知識・技能を指導する育成手法。

OJT(On-the-Job Training)は、職場で実際の仕事をしながら、上司や先輩が部下・後輩に直接指導していく育成手法です。実務に直結した知識や技能をその場で身につけられ、すぐに役立つのが大きな利点です。 試験では、OJTが『実務(仕事)を通じた育成』である点が問われます。後述のOff-JT(実務を離れた研修)と対の関係にあるので、必ずセットで覚えましょう。一方で、指導者の力量によって教育の質にばらつきが出やすく、体系的・網羅的な知識を伝えにくいという弱点もあります。

たとえ料理人の見習いが、座学ではなく厨房で先輩のそばに立ち、実際に包丁を握りながら手取り足取り教わって腕を上げていくようなもの。

記憶フックOJTといえば実務を通じて先輩が指導

人材育成の手法

OJT(実務を通じた育成)

Off-JT(実務を離れた育成)

Off-JT

実務を離れ、研修や講習など職場外の場で行う集合的な育成手法。

Off-JT(Off-the-Job Training)は、日常の業務から離れた場で行う研修や講習・セミナーによる育成手法です。集合研修などで多人数に同じ内容を効率よく教えられ、体系的・専門的な知識を計画的に学べるのが特徴です。 試験では、Off-JTが『実務を離れた(職場外の)研修』であり、OJTと対をなす分類である点が問われます。OJTが現場で個別に学ぶのに対し、Off-JTは現場を離れてまとまった知識を学ぶ、という違いを押さえましょう。実務との結びつきが弱く、学んだ内容が直接の成果に結びつきにくい場合がある点も理解しておくとよいです。

たとえ料理人が店を一日休んで、外部の調理学校の講座に通い、栄養学や衛生管理の理論をまとめて学んでくるようなもの。現場とは別の場で知識を仕入れる。

記憶フックOff-JTといえば実務を離れた集合研修

e-ラーニング

パソコンやインターネットなどのIT機器を活用して学習する手法。

e-ラーニングは、パソコンやスマートフォン、インターネットといったIT機器・ネットワークを利用して学習する手法です。Off-JTを支える代表的な学習手段の一つで、受講者は時間や場所に縛られず、自分のペースで繰り返し学べるのが利点です。 試験では、e-ラーニングが『ITを活用した学習』であり、集合研修と違って個人が任意の時間・場所で学べる点が問われます。教材を一度作れば多人数に低コストで配信でき、学習履歴の管理もしやすい一方、受講者の自己管理に依存し、対面のような即時の質疑応答が難しいという面もあります。

たとえ決まった時間に教室へ通わず、動画配信サービスのように好きな時に好きな場所で講義を再生し、分からない所は何度も巻き戻して学ぶようなもの。

記憶フックe-ラーニングといえばITを活用し時間・場所を選ばず学習

アダプティブラーニング

学習者一人ひとりの理解度に合わせて内容を最適化する個別最適化学習。

アダプティブラーニング(適応学習)は、学習者ごとの理解度や進み具合に応じて、出題内容や教材を自動的に調整して提供する学習手法です。e-ラーニングをさらに発展させたもので、AIなどが正誤や回答状況を分析し、その人に最適な学習を届けます。 試験では、アダプティブラーニングが『一人ひとりに合わせて最適化(個別最適化)する学習』である点が問われます。全員に同じ内容を一律に配信する通常のe-ラーニングとの違いを意識しましょう。得意な分野は飛ばし、苦手な分野は重点的に復習させるなど、効率的な学習を実現できるのが特徴です。

たとえ学習アプリが正解・不正解を見て、間違えた問題は後で何度も出し直し、得意な問題は減らしてくれるように、その人専用にカリキュラムを組み替えてくれるイメージ。

記憶フックアダプティブラーニングといえば理解度に合わせて個別最適化

コーチング

対話や質問を通じて、本人の気づきを促し答えを引き出す指導手法。

コーチングは、指導者(コーチ)が答えを直接教えるのではなく、質問や対話を通じて相手自身に考えさせ、本人の中から気づきや解決策を引き出す指導手法です。相手の主体性や自発的な成長を引き出すことを重視します。 試験では、コーチングが『教える』のではなく『質問で本人の答えを引き出す』手法である点が問われます。知識や経験を一方的に授けるメンタリングや一般的な指導との違いを押さえましょう。相手が自分で考え行動する力を伸ばせる反面、即座に答えが必要な場面には向きにくい、という特徴も理解しておくとよいです。

たとえスポーツのコーチが『今のプレー、どこを直せばよかったと思う?』と問いかけ、選手自身に答えを言わせて気づかせるようなもの。答えを与えず引き出す。

記憶フックコーチングといえば質問で本人の答えを引き出す

コーチング

質問・対話で気づきを引き出す

メンタリング

経験から助言・支援する

メンタリング

経験豊富な先輩(メンター)が助言や支援を通じて成長を促す育成手法。

メンタリングは、経験豊富な先輩や上司(メンター)が、後輩(メンティ)に対して助言や精神的な支援を行い、仕事面だけでなくキャリアや悩みの相談にも応じながら成長を促す育成手法です。長期的・継続的な信頼関係を築くのが特徴です。 試験では、メンタリングが『経験者が助言・支援する』手法である点が問われます。質問で本人に答えを出させるコーチングと対比して覚えましょう。メンタリングは知識や経験を伝え精神的に支える側面が強く、業務スキルだけでなくキャリア形成やメンタル面のフォローまで含む点が要点です。

たとえ職場の頼れる先輩が、仕事の進め方から人間関係の悩みまで親身に相談に乗り、自分の経験を語って導いてくれるようなもの。

記憶フックメンタリングといえば経験者が助言・支援で成長を促す

まとめ

要点

  • 人材育成の手法は、実務を通じて学ぶOJTと、実務を離れて研修で学ぶOff-JTの二大分類が基本である。
  • e-ラーニングはITを活用し時間・場所を選ばず学べる学習手段で、Off-JTを支える代表例である。
  • アダプティブラーニングはe-ラーニングを発展させ、学習者の理解度に合わせて内容を個別最適化する。
  • コーチングは質問・対話で本人に答えを引き出す手法、メンタリングは経験者が助言・支援する手法で、両者は対比して問われる。
  • 各手法は『実務か実務外か』『教えるか引き出すか』など基準の違いで整理して覚えるのが要点である。

記憶フック一覧

  • OJT: OJTといえば実務を通じて先輩が指導
  • Off-JT: Off-JTといえば実務を離れた集合研修
  • e-ラーニング: e-ラーニングといえばITを活用し時間・場所を選ばず学習
  • アダプティブラーニング: アダプティブラーニングといえば理解度に合わせて個別最適化
  • コーチング: コーチングといえば質問で本人の答えを引き出す
  • メンタリング: メンタリングといえば経験者が助言・支援で成長を促す

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。