教科書一覧へ

組織形態

頻出約 23 分経営・組織論

概要

本ユニットでは、企業が仕事を効率よく進めるために人や部門をどう編成するか、その代表的な組織形態を学びます。機能別・事業部制・マトリックス・プロジェクト組織など、それぞれの分け方の基準と長所・短所を比べます。経営・組織論の中でも頻出分野で、各形態の特徴の違いがよく問われます。

用語8

階層型組織

上から下へ指揮命令が伝わるピラミッド型の基本的な組織構造。

階層型組織は、トップ(経営者)を頂点に、部長・課長・担当者というように上下の階層で構成される最も基本的な組織の形です。命令や報告が階層に沿って上下に流れ、誰が誰の指示を受けるかが明確になります。 ピラミッド型・ライン型とも呼ばれ、ほかの組織形態(機能別・事業部制など)もこの上下関係を土台にしています。試験では、指揮命令系統(誰から誰へ命令が伝わるか)が一本に統一されていることが特徴として押さえどころです。

たとえ学校の「校長→教頭→学年主任→担任→生徒」という上下のつながりに似ています。命令や連絡が段階を追って順に伝わっていきます。

記憶フック階層型組織といえば上から下へ命令が伝わるピラミッド型

機能別組織

営業・製造・経理など仕事の機能(役割)ごとに部門を分けた組織。

機能別組織は、営業・製造・開発・経理といった「仕事の種類(機能)」を基準に部門を編成する形態です。同じ専門の人が同じ部門に集まるため、専門性が高まり、重複が少なく効率的という長所があります。 一方で、製品や地域ごとの責任が分かれにくく、部門間の調整に手間がかかる短所があります。試験では、事業部制(事業単位で分ける)との分け方の違いが頻出です。「機能=仕事の種類で分ける」と覚えましょう。

たとえ病院を「内科・外科・薬局・受付」のように仕事の種類で分けるイメージ。同じ専門家が同じ部署に集まり、腕を磨きやすくなります。

記憶フック機能別組織といえば仕事の種類(機能)ごとに分ける

社長

営業部

製造部

開発部

経理部

職能別組織

職能(専門の役割)ごとに部門を編成する組織。機能別組織とほぼ同義。

職能別組織は、営業・生産・人事・経理などの「職能(専門の役割)」を基準に部門を分ける形態で、機能別組織とほぼ同じ意味で使われます。専門ごとに人をまとめることで、専門性の蓄積と効率化が図れます。 機能別組織との違いを問うよりは、「機能=職能で分ける同じ考え方」と理解しておけば十分です。試験では、事業部制やマトリックス組織との対比の中で、専門(職能)を軸に分けた形態として位置づけられます。

たとえレストランを「ホール・調理・仕入れ・経理」と役割ごとに班分けするイメージ。それぞれの専門に集中でき、技を磨きやすくなります。

記憶フック職能別組織といえば機能別組織とほぼ同じ専門役割で分ける形

事業部制

製品・地域・顧客など事業の単位ごとに部門を編成する組織。

事業部制は、製品別・地域別・顧客別といった「事業の単位」ごとに部門(事業部)を作り、それぞれに営業から製造まで一通りの機能を持たせる形態です。各事業部が独立して利益責任を負うため、意思決定が速く、市場の変化に対応しやすい長所があります。 一方、事業部ごとに同じ機能(経理など)を持つため、人や設備が重複しコストが増えやすい短所があります。試験では、機能別組織(仕事の種類で分ける)との違いが頻出で、「事業部制=事業単位で分け、独立採算で運営」と押さえましょう。

たとえ大きな会社を「家電部門・自動車部門・食品部門」のように商品ごとに小さな会社のように分け、それぞれが独立して稼ぐイメージです。

記憶フック事業部制といえば事業単位で分けて独立採算で運営

社長

家電事業部

自動車事業部

食品事業部

営業・製造・経理

営業・製造・経理

営業・製造・経理

マトリックス組織

機能軸と事業(製品)軸を縦横に組み合わせた格子状の組織。

マトリックス組織は、機能別の軸(営業・製造など)と事業・製品・プロジェクトの軸を縦横に組み合わせ、一人の社員が両方に属する格子状の形態です。専門性を保ちつつ、製品やプロジェクトにも柔軟に対応できる長所があります。 最大の特徴は、社員が「機能の上司」と「事業の上司」の2人から指示を受ける点(ワンマン・ツーボスではなく複数の指揮命令)です。そのため命令が衝突しやすく、指揮命令系統が複雑になる短所があります。試験では、この「上司が複数になる」点が最頻出の問われ方です。

たとえ学校で「クラス担任」と「部活の顧問」の両方から指示を受ける生徒のような立場。専門も活動も両立できますが、二人の指示がぶつかると困ります。

記憶フックマトリックス組織といえば縦横の二軸で上司が2人になる

営業機能

製造機能

製品A

製品B

担当者

担当者

プロジェクト組織

特定の目的のために各部門から人を集める一時的な臨時編成の組織。

プロジェクト組織は、新製品開発やシステム導入など特定の目的を達成するために、必要な人材を各部門から集めて作る一時的な組織です。目的を達成すると解散し、メンバーは元の部門に戻ります。 専門の異なる人が一つの目標に集中できる柔軟さが長所ですが、期間限定のためメンバーの帰属意識が薄くなりやすい点が課題です。試験では、恒常的に置かれる機能別・事業部制と違い「臨時・期間限定で目的達成後に解散する」点が問われます。マトリックス組織と関連づけて出題されることもあります。

たとえ文化祭の実行委員会のように、各クラスから人を集めて準備し、行事が終わったら解散して元のクラスに戻るイメージです。

記憶フックプロジェクト組織といえば目的達成のための臨時編成で解散する

カンパニー制

社内の事業を独立した会社のように扱い権限を委譲する分権組織。

カンパニー制は、事業部制をさらに進め、社内の各事業を「社内カンパニー(社内会社)」として、あたかも独立した会社のように運営する形態です。各カンパニーに資金や投資の権限まで大きく委譲し、独立採算を徹底します。 事業部制より権限が広く、責任も明確になるため、意思決定がより速くなります。試験では、法律上は一つの会社のままである(別法人ではない)点が、本当に法人を分ける持株会社との違いとして押さえどころです。「事業部制を強めた社内分社」と覚えましょう。

たとえ大きな店の中の各売場を「ほぼ独立した店」として店長に予算も任せる感じ。看板は同じ会社でも、中はそれぞれが独立経営に近い形です。

記憶フックカンパニー制といえば社内分社で権限を大きく委譲した分権化

持株会社

他社の株式を保有してグループ全体を支配・統括する会社。

持株会社は、複数の会社の株式を持つことで、それらをグループ会社(子会社)として支配・統括する会社です。グループ全体の戦略立案に専念する純粋持株会社では、社名に「ホールディングス」が付くことが多くあります。 カンパニー制が一つの会社の中での分権なのに対し、持株会社は子会社が法律上も別の会社である点が大きな違いです。試験では、分権化が最も進んだ形態として、グループ経営を束ねる役割が問われます。「株を持ってグループを統括する」と押さえましょう。

たとえいくつもの専門店を傘下に持つ「グループ本部」のような存在。本部は店の株を持ち、全体の方針を決めて各店を束ねます。

記憶フック持株会社といえば株式を保有してグループを統括する

まとめ

要点

  • 機能別(職能別)組織は営業・製造・経理など「仕事の種類」で分け、専門性が高まる一方で部門間調整が課題になる。
  • 事業部制は製品・地域・顧客など「事業単位」で分け、独立採算で意思決定は速いが、機能の重複でコストが増えやすい。
  • マトリックス組織は機能軸と事業軸を組み合わせた格子状で、社員が上司2人から指示を受けるため指揮命令が複雑になる。
  • プロジェクト組織は特定目的のための一時的な臨時編成で、目的達成後に解散する点が恒常的な組織と異なる。
  • 分権化は「事業部制→カンパニー制(社内分社)→持株会社(別法人でグループ統括)」の順に進み、持株会社は法律上も会社を分ける点が違い。

記憶フック一覧

  • 階層型組織: 階層型組織といえば上から下へ命令が伝わるピラミッド型
  • 機能別組織: 機能別組織といえば仕事の種類(機能)ごとに分ける
  • 職能別組織: 職能別組織といえば機能別組織とほぼ同じ専門役割で分ける形
  • 事業部制: 事業部制といえば事業単位で分けて独立採算で運営
  • マトリックス組織: マトリックス組織といえば縦横の二軸で上司が2人になる
  • プロジェクト組織: プロジェクト組織といえば目的達成のための臨時編成で解散する
  • カンパニー制: カンパニー制といえば社内分社で権限を大きく委譲した分権化
  • 持株会社: 持株会社といえば株式を保有してグループを統括する

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。