← 教科書一覧へ回帰・相関と擬似相関
頻出約 13 分業務分析・データ利活用
概要
2つの数量の関係を分析する理論を学ぶ単元です。誤差を最小にして直線を引く最小二乗法から、その直線で予測する回帰分析、関係の強さを表す相関と、相関があっても因果とは限らないという考え方、そして第三の要因が生む擬似相関までを扱います。データ利活用の土台であり、散布図など可視化の前提となる頻出テーマです。
用語(4)
最小二乗法
実測値と直線との誤差の二乗の合計が最小になるように回帰直線を求める手法。
最小二乗法は、データの点と直線とのずれ(残差)を二乗して合計し、その合計が最も小さくなるように直線を決める計算手法です。二乗するのは、プラスとマイナスの誤差が打ち消し合わないようにし、大きなずれをより重く扱うためです。
こうして得られる直線が回帰直線で、最小二乗法は次に学ぶ回帰分析の土台になります。試験では細かい計算より、『誤差の二乗和を最小にして最も当てはまりの良い直線を引く方法』という考え方を押さえることが大切です。
たとえたくさんの点の真ん中を一本の棒で貫くとき、すべての点からの距離が全体として最も小さくなる位置に棒を合わせるようなものです。
記憶フック最小二乗法といえば誤差の二乗和を最小にして回帰直線を引く
回帰分析
ある変数から別の変数の値を、回帰直線を使って予測・説明する分析手法。
回帰分析は、原因となる変数(説明変数)から結果となる変数(目的変数)を予測するために、両者の関係を数式(多くは直線)で表す分析手法です。たとえば気温から飲料の売上を見積もる、といった予測に使われます。
直線は最小二乗法で求めた回帰直線を用います。試験では、回帰分析が『関係を式にして予測する』手法であること、変数が1つの単回帰と複数の重回帰がある点、後で学ぶ相関(関係の強さを測る)とは目的が異なる点が問われます。
たとえ過去の勉強時間とテスト点数の関係から、「来週これだけ勉強すれば何点取れそうか」を見積もる占いのようなもの。関係を式にして先を予測します。
記憶フック回帰分析といえば回帰直線で別の変数の値を予測する
相関と因果
相関は2変数が一緒に増減する関係の強さ、因果は一方が他方の原因という関係。
相関とは、2つの数量が「一方が増えるともう一方も増える(または減る)」という連動の関係で、その強さは相関係数(-1〜+1)で表します。+1に近いほど強い正の相関、-1に近いほど強い負の相関、0に近いと相関は弱くなります。
一方、因果は一方が他方を引き起こす原因と結果の関係です。試験で最重要なのは『相関があっても因果があるとは限らない』という点です。両者が連動して見えても、偶然や別の要因が原因のことがあり、相関を因果と早合点しない姿勢が問われます。
たとえアイスの売上と水難事故が同時に増えても、アイスが事故の原因ではありません(両方とも気温という別要因のため)。一緒に動く=原因とは限らないのです。
記憶フック相関と因果といえば相関があっても因果とは限らない
擬似相関
第三の要因のせいで、直接関係のない2変数が相関して見える見かけだけの相関。
擬似相関(見せかけの相関)とは、本来は直接の因果関係がない2つの変数が、共通の第三の要因(交絡因子)の影響で、あたかも関係があるかのように相関して見える現象です。
たとえば「アイスの売上」と「水難事故」はどちらも『気温』が高いほど増えるため一緒に増減しますが、両者に直接の因果はありません。試験では、相関を見たときに隠れた共通要因の有無を疑うこと、擬似相関は『相関と因果の混同が生む誤解』である点が問われます。データ利活用での誤った判断を防ぐ重要な注意点です。
たとえ朝に鶏が鳴くと日が昇るからといって、鶏が太陽を昇らせるわけではありません。「時刻」という共通の要因が両方を動かしているだけです。
記憶フック擬似相関といえば共通の第三要因が生む見かけだけの相関
まとめ
要点
- 本単元は『最小二乗法→回帰分析→相関と因果→擬似相関』という、数量関係の分析理論を一本道で学ぶ。
- 最小二乗法は誤差(残差)の二乗和を最小にして回帰直線を引く基礎手法で、回帰分析の土台。
- 回帰分析は回帰直線を使って説明変数から目的変数を予測する手法。相関は関係の強さを相関係数(-1〜+1)で測るもので、目的が異なる。
- 最重要観点は『相関があっても因果があるとは限らない』こと。連動して見えても原因とは限らない。
- 擬似相関は共通の第三要因(交絡因子)が原因で、直接関係のない2変数が相関して見える見かけだけの相関。
記憶フック一覧
- 最小二乗法: 最小二乗法といえば誤差の二乗和を最小にして回帰直線を引く
- 回帰分析: 回帰分析といえば回帰直線で別の変数の値を予測する
- 相関と因果: 相関と因果といえば相関があっても因果とは限らない
- 擬似相関: 擬似相関といえば共通の第三要因が生む見かけだけの相関
関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。