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資産・負債の区分

頻出約 21 分会計・財務

概要

貸借対照表に並ぶ資産と負債を、流動/固定・有形/無形・繰延といった観点で細かく区分する考え方を学びます。区分の基準(換金や返済までの期間、形があるか)を押さえると、企業の支払能力や経営状態を読み取れます。ITパスポートでは流動・固定の違いや各区分の代表例が頻出のため、確実に整理しておきましょう。

用語7

流動資産

おおむね1年以内に現金化できる、換金性の高い資産の区分。

流動資産とは、現金預金や、短期間でお金に変わりやすい資産をまとめた区分です。代表例は現金・預金、売掛金(後で代金を受け取る権利)、受取手形、商品などの棚卸資産です。 判断の目安は「おおむね1年以内に現金化できるか(1年基準)」です。試験では、長期保有を前提とする固定資産との違いがよく問われます。流動資産が多いほど短期的な支払能力は高いと読めます。 後の単元で学ぶ流動比率(流動資産÷流動負債)の分子になる点も重要です。

たとえ財布の中の現金や、すぐ崩せる定期預金のように、必要になればさっと使える「手元のお金に近い」資産が流動資産です。

記憶フック流動資産といえば1年以内に現金化できる資産

固定資産

長期にわたり保有・使用する、換金性の低い資産の区分。

固定資産とは、1年を超えて長期に保有・利用する資産の区分で、すぐには現金化しないものを指します。流動資産と対になる概念です。 中身はさらに、形のある有形固定資産(土地・建物・機械など)、形のない無形固定資産(特許権・ソフトウェアなど)、長期保有の株式などの投資その他の資産に分けられます。なお、繰延資産は固定資産の内訳ではなく、資産の部で流動資産・固定資産と並ぶ独立した第3の区分である点に注意しましょう。試験では、有形・無形固定資産の区分や、土地が減価償却の対象外である点がよく問われます。 設備など長期に使うものは固定資産、と覚えると流動資産と区別しやすくなります。

たとえ持ち家や自家用車のように、すぐ売ってお金にするのではなく、長く持って使い続ける財産が固定資産のイメージです。

記憶フック固定資産といえば長期に使う換金性の低い資産

固定資産

有形固定資産

無形固定資産

投資その他の資産

土地・建物・機械

特許権・ソフトウェア

有形資産

土地や建物など、目に見える形を持つ固定資産の区分。

有形資産(有形固定資産)とは、土地・建物・機械装置・備品・車両など、物理的な形を持つ固定資産です。 建物や機械は使用や時間の経過で価値が減るため、減価償却によって毎年費用に配分します。一方、土地は時間が経っても価値が減らないと考えられ、減価償却の対象外となる点が試験の定番です。 次に学ぶ無形資産(形がない)との対比で、「形があるかどうか」が区分の決め手だと押さえましょう。

たとえ手で触れられる工場や机、社用車のように、目の前に実物がある財産が有形資産です。ただし土地だけはすり減らないので別扱いです。

記憶フック有形資産といえば形のある固定資産(土地は減価償却なし)

無形資産

特許権やソフトウェアなど、形を持たない固定資産の区分。

無形資産(無形固定資産)とは、物理的な形はないが企業に価値をもたらす固定資産です。特許権・商標権などの権利や、ソフトウェア、のれん(買収時の超過支払分)が代表例です。 形がなくても長期に使って収益を生むため、原則として一定年数にわたり費用化(償却)します。試験では、形がある有形資産との違いや、ソフトウェア・特許権が無形資産に分類される点が問われます。 「目に見えないが価値ある権利やソフト」が無形資産だと整理しておきましょう。

たとえ手に取れないけれど価値がある「ブランド名」や「アプリ」のように、形はなくても会社の稼ぐ力になる財産が無形資産です。

記憶フック無形資産といえば特許権やソフトなど形のない固定資産

繰延資産

支出済みだが効果が将来に及ぶため、資産計上する特殊な項目。

繰延資産とは、すでに支払いが終わった費用のうち、その効果が将来にわたって続くと考えられるものを、いったん資産として計上する特殊な区分です。 代表例は、会社設立にかかる創立費、営業開始準備の開業費、株式交付費などです。本来は費用ですが、効果が及ぶ期間に合わせて少しずつ費用に振り替えていく(償却する)ため、当面は資産の側に置かれます。 試験では、流動・固定とは別枠の特殊な資産であること、創立費や開業費が代表例であることを押さえておくとよいでしょう。

たとえ開店前に払った宣伝費のように、お金は先に出たけれど効果はこの先も続くので、すぐ全部を費用にせず資産として持ち越すイメージです。

記憶フック繰延資産といえば支出済みで効果が将来に及ぶ特殊な資産

費用を支出

効果が将来に及ぶ

いったん資産計上

毎期すこしずつ費用化

流動負債

おおむね1年以内に返済・支払期限が来る負債の区分。

流動負債とは、短期間で支払い・返済の期限が来る負債の区分です。代表例は買掛金(後で代金を支払う義務)、支払手形、短期借入金、未払金などです。 判断の目安は「おおむね1年以内に支払うか(1年基準)」で、返済が1年を超える固定負債と対比して問われます。流動負債が多いほど、短期的な支払い負担が重いと読めます。 流動比率(流動資産÷流動負債)の分母になる点も重要で、流動資産より流動負債が大きいと短期の支払能力に不安があると判断されます。

たとえ今月末に払う家賃や、来月引き落としのクレジット代金のように、すぐ支払期限が来る借りが流動負債です。

記憶フック流動負債といえば1年以内に支払う短期の負債

固定負債

返済期限が1年を超える、長期の負債の区分。

固定負債とは、返済や支払いの期限が1年を超える、長期にわたる負債の区分です。流動負債と対になる概念です。 代表例は長期借入金、社債(投資家から長期で資金を借りる)、退職給付引当金などです。すぐには返済しないため、短期の資金繰りへの圧迫は流動負債より小さくなります。 試験では、短期の流動負債との区分や、社債・長期借入金が固定負債に当たる点が問われます。「1年を超えて返す借金は固定負債」と覚えましょう。

たとえ35年ローンの住宅借入のように、何年もかけてゆっくり返していく長期の借りが固定負債です。

記憶フック固定負債といえば返済が1年を超える長期の負債

まとめ

要点

  • 資産の部は流動資産(1年以内に現金化)・固定資産(長期保有)・繰延資産の3つに大きく分かれ、固定資産はさらに有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に細分される。
  • 有形資産と無形資産は「形があるかどうか」で区分し、土地は時間が経っても価値が減らないため減価償却の対象外。
  • 繰延資産は流動・固定とは別枠の特殊な区分で、創立費・開業費など支出済みでも効果が将来に及ぶものを資産計上する。
  • 負債も流動負債(1年以内の支払)と固定負債(1年超の長期返済)に区分し、買掛金・短期借入金は流動、長期借入金・社債は固定。
  • 流動資産÷流動負債が流動比率で、短期的な支払能力を判断する指標として後の単元につながる。

記憶フック一覧

  • 流動資産: 流動資産といえば1年以内に現金化できる資産
  • 固定資産: 固定資産といえば長期に使う換金性の低い資産
  • 有形資産: 有形資産といえば形のある固定資産(土地は減価償却なし)
  • 無形資産: 無形資産といえば特許権やソフトなど形のない固定資産
  • 繰延資産: 繰延資産といえば支出済みで効果が将来に及ぶ特殊な資産
  • 流動負債: 流動負債といえば1年以内に支払う短期の負債
  • 固定負債: 固定負債といえば返済が1年を超える長期の負債

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。