← 教科書一覧へ 国際・隣接の個人データ法規 — マイナンバー法・GDPR 頻出 約 13 分 セキュリティ関連法規
概要 本ユニットでは、国内の個人情報保護法の枠を超える隣接・国際の個人データ法規を学びます。国の番号制度を定めるマイナンバー法と、EU の個人データ保護枠組みである GDPR、そして GDPR が確立した忘れられる権利・消去権を扱います。セキュリティ関連法規は頻出分野で、各法規が何を守るのかを区別できることが重要です。
用語(4) マイナンバー法 国民一人ひとりに割り当てる個人番号(マイナンバー)の利用・管理を定めた法律。
マイナンバー法は、社会保障・税・災害対策の分野で国民を識別するための12桁の個人番号(マイナンバー)について、利用範囲や安全管理を定めた法律です。正式には「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」といいます。
マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」と呼ばれ、通常の個人情報よりも厳しく扱われます。利用目的が法律で定めた範囲に限定され、本人の同意があっても目的外の利用や提供は原則できない点が特徴です。試験では、利用範囲が法律で限定されている点や、個人情報保護法に対する特別法という位置づけが問われます。
たとえ 全国民に配られる「行政専用の会員番号」のようなもの。社会保障・税・災害対策の手続きでしか使えず、お店のポイントカードのように自由には使えません。
記憶フック マイナンバー法といえば社会保障・税・災害対策に限定された個人番号の法律
GDPR EU 域内の個人データ保護を定めた EU の一般データ保護規則。
GDPR(General Data Protection Regulation、一般データ保護規則)は、EU(欧州連合)が定めた個人データ保護のための規則です。EU 域内の人の個人データを扱う場合に適用され、EU 域外の企業であっても EU の人々を対象にサービスを提供すれば対象となります。
本人の同意取得や、原則として EU 域外への個人データ持ち出し(越境移転)の制限、違反時の高額な制裁金などが特徴です。また、後述の忘れられる権利・消去権といった、本人がデータを管理する権利を保障しています。試験では、EU の法規であること、域外の日本企業にも影響しうること、個人の権利を強く保護する枠組みであることが問われます。
たとえ EU 全体で共通の「個人データの取り扱いルールブック」。EU の人を相手にする限り、海外の会社もこのルールブックに従う必要があります。
記憶フック GDPRといえば EU の個人データ保護規則(域外企業にも適用)
忘れられる権利 本人が自分の個人データの削除を求められる、GDPR が確立した権利。
忘れられる権利は、インターネット上などに残る自分の個人データについて、本人が削除を求められるという考え方です。GDPR に関連して広く知られるようになった権利で、特に検索結果から自分に関する古い情報を消してほしい、といった場面で問題になります。
たとえば過去の出来事に関する情報がいつまでも検索でき不利益を被る場合に、削除を請求できる根拠となります。ただし報道の自由や公共の利益との兼ね合いで、常に削除が認められるわけではありません。試験では、GDPR に関連する個人の権利であること、自分のデータを消してもらう権利だという趣旨を押さえておけば十分です。
たとえ ネット上に残った自分の昔の写真や記事を「もう消してほしい」とお願いできる権利のようなもの。古い情報をいつまでも掘り返されない自由を守ります。
記憶フック 忘れられる権利といえば GDPR の「自分の情報を消してもらう」権利
消去権 本人が自分の個人データの消去を事業者へ請求できる GDPR 上の権利。
消去権は、本人が自分の個人データの消去(削除)を事業者に対して請求できる、GDPR で明文化された権利です。忘れられる権利と密接に関連し、ほぼ同じ趣旨を法律上の権利として規定したものと考えると分かりやすいです。
データを集める目的がなくなった場合や、本人が同意を撤回した場合などに、消去を求めることができます。忘れられる権利が「考え方・通称」に近いのに対し、消去権は GDPR の条文上の権利という関係で、対にして理解しておくとよいでしょう。試験では、本人が自分のデータの削除を求められる GDPR の権利だという点が問われます。
たとえ お店に預けた自分の個人情報について「もう使わないなら破棄してください」と正式に申し入れできる権利。忘れられる権利を契約書に書き込んだようなものです。
記憶フック 消去権といえば GDPR で明文化された個人データ削除の請求権
まとめ 要点 マイナンバー法は社会保障・税・災害対策に利用範囲を限定した個人番号の法律で、マイナンバーを含む「特定個人情報」は通常より厳しく扱われる。 GDPR は EU の個人データ保護規則で、EU 域外の日本企業でも EU の人を対象にすれば適用されうる。 GDPR は越境移転の制限や違反時の制裁金に加え、本人がデータを管理する権利を保障する。 忘れられる権利は自分の個人データの削除を求められる考え方で、消去権はそれを GDPR の条文上の権利として明文化したもの。 国内法(マイナンバー法)から国際法規(GDPR)へと視点を広げ、各法規が何を守るかを区別することが重要。 記憶フック一覧 マイナンバー法: マイナンバー法といえば社会保障・税・災害対策に限定された個人番号の法律 GDPR: GDPRといえば EU の個人データ保護規則(域外企業にも適用) 忘れられる権利: 忘れられる権利といえば GDPR の「自分の情報を消してもらう」権利 消去権: 消去権といえば GDPR で明文化された個人データ削除の請求権 関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。