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クラウドの配置形態と運用形態

低頻約 18 分ソリューションビジネス

概要

本ユニットでは、クラウドを『どこに配置し、誰が運用するか』という軸を学ぶ。パブリック・プライベート・ハイブリッド・マルチクラウドの4配置形態、対比となるオンプレミス、運用を委託するマネージドサービスを取り上げる。ITパスポートでは各形態の違いと使い分けが問われ、ソリューション選択の基礎となる。

用語6

パブリッククラウド

クラウド事業者が不特定多数に提供する、共用型のクラウドサービス。

パブリッククラウドは、AWS や Azure などのクラウド事業者が用意した基盤を、インターネット経由で不特定多数の利用者が共同で使う形態です。自社で設備を持たずに必要な分だけ使え、初期費用を抑えて素早く利用を始められるのが大きな利点です。 試験では、後述のプライベートクラウド(自社専有型)との対比でよく問われます。共用のため低コスト・拡張が容易な反面、自社専用の細かい設定や独自要件への対応はプライベートに比べて制約がある、という特徴を押さえましょう。

たとえ賃貸マンションのように、設備を大家(事業者)が用意し、多くの入居者が共同で使う形。自分で建てる必要がなく、使った分だけ家賃を払う。

記憶フックパブリッククラウドといえば事業者が不特定多数に提供する共用型

プライベートクラウド

特定の組織が専有して利用する、自社向けのクラウド環境。

プライベートクラウドは、クラウドの仕組みを特定の企業・組織が専有して使う形態です。自社のデータセンター内に構築する場合と、事業者の設備の一部を専用区画として借りる場合があります。 試験では、パブリッククラウドとの違いが問われます。専有のためセキュリティや独自要件への対応に優れ、機密性の高い情報を扱う組織に向く一方、自社で構築・管理する負担やコストが大きくなりやすい点が対比のポイントです。『専有=プライベート、共用=パブリック』と整理して覚えましょう。

たとえ自社専用に建てた一戸建てオフィスのようなもの。自由に設計でき外部と共有しないが、その分の建設・維持の手間と費用は自分持ち。

記憶フックプライベートクラウドといえば特定組織が専有する自社向け環境

ハイブリッドクラウド

パブリックとプライベート(やオンプレミス)を組み合わせて使う形態。

ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウドとプライベートクラウド(またはオンプレミス)を連携させ、用途に応じて使い分ける形態です。両者のよいところを組み合わせるのが狙いです。 試験では『組み合わせ』である点が問われます。例えば、機密性の高いデータは自社専有のプライベート側に置き、アクセスが急増する公開Webなどは拡張が容易なパブリック側に置く、といった使い分けが典型例です。セキュリティとコスト・柔軟性を両立できる反面、複数環境をまたぐ連携・管理が複雑になる点も理解しておきましょう。

たとえ自宅(専有)と貸し倉庫(共用)を併用するようなもの。大事な物は自宅に、量が増減する物は倉庫にと、性質で置き場所を使い分ける。

記憶フックハイブリッドクラウドといえばパブリックとプライベートの組み合わせ

ハイブリッドクラウド

プライベート側

パブリック側

機密データを配置

変動の大きい処理を配置

マルチクラウド

複数のクラウド事業者のサービスを併用して利用する形態。

マルチクラウドは、複数のクラウド事業者(例:AWS と Azure と Google Cloud)のサービスを組み合わせて使う形態です。サービスごとに得意分野が異なるため、適材適所で選んで使うことができます。 試験では、ハイブリッドクラウドとの違いに注意が必要です。ハイブリッドが『パブリックとプライベートという配置形態の組み合わせ』であるのに対し、マルチクラウドは『複数の事業者の併用』に着目した概念です。特定の1社に依存しない(ベンダーロックインを避ける)・障害リスクを分散できる利点がある一方、管理が複雑になります。

たとえ電力やガスを複数の会社から契約して使い分けるようなもの。1社に頼り切らず、得意分野や料金で会社を選び、片方が止まっても困りにくい。

記憶フックマルチクラウドといえば複数の事業者のサービスを併用

オンプレミス

自社の施設内に機器を設置し、自前で運用する従来型の形態。

オンプレミス(on-premises)は、サーバーやネットワーク機器を自社の建物内に設置し、自分たちで構築・運用する形態です。クラウドが普及する前から行われてきた従来型の方式で、クラウド全体と対比される『非クラウドの基準』として位置づけられます。 試験では、クラウドとの対比で問われます。自社管理のため自由度やセキュリティ面で安心できる反面、機器の購入(初期投資)・設置場所・保守要員が必要で、導入に時間とコストがかかります。クラウドが『借りる・使った分だけ』なのに対し、オンプレミスは『自分で持つ・所有する』と整理すると違いが明確です。下図のように配置形態を非クラウドとクラウドに大別して整理しましょう。

たとえ持ち家を建てて自分で維持するようなもの。自由に手を入れられるが、土地・建物の購入費や修繕の手間はすべて自分でまかなう。

記憶フックオンプレミスといえば自社設備で自前運用する従来型

配置形態

オンプレミス(自社設置)

クラウド(事業者提供)

パブリック

プライベート

ハイブリッド

マルチ

マネージドサービス

システムの運用・保守を専門事業者に委託するサービス。

マネージドサービスは、サーバーやネットワーク、クラウド基盤などの運用・監視・保守といった管理業務を、専門の事業者に任せる(委託する)サービスです。配置をどこにするかとは別の『運用を誰がやるか』という軸の概念です。 試験では、利用者が運用負担から解放され本業に専念できる利点が問われます。自社に専門の運用要員を抱えなくてよい一方、運用を外部に任せるため対応範囲や費用を契約で明確にする必要があります。クラウドのパブリック/プライベートといった『配置形態』とは別軸の『運用形態』である点を区別しましょう。

たとえビルの管理を専門の管理会社に任せるようなもの。清掃・点検・トラブル対応をプロに委ね、自分は本来の仕事に集中できる。

記憶フックマネージドサービスといえば運用・保守を専門事業者に委託

まとめ

要点

  • クラウドは『どこに配置し誰が運用するか』で分類され、本ユニットは配置4形態+対比のオンプレミス+運用委託のマネージドサービスを扱う。
  • パブリック(共用)とプライベート(専有)が配置の基本2形態で、ハイブリッドは両者の組み合わせ、マルチクラウドは複数事業者の併用である。
  • ハイブリッド(配置形態の組み合わせ)とマルチクラウド(複数事業者の併用)は着眼点が異なる別概念として区別する。
  • オンプレミスは自社設備で自前運用する従来型で、『借りる』クラウドに対する『所有する』非クラウド基準である。
  • マネージドサービスは配置とは別軸の『運用委託』形態で、利用者は運用負担を減らし本業に集中できる。

記憶フック一覧

  • パブリッククラウド: パブリッククラウドといえば事業者が不特定多数に提供する共用型
  • プライベートクラウド: プライベートクラウドといえば特定組織が専有する自社向け環境
  • ハイブリッドクラウド: ハイブリッドクラウドといえばパブリックとプライベートの組み合わせ
  • マルチクラウド: マルチクラウドといえば複数の事業者のサービスを併用
  • オンプレミス: オンプレミスといえば自社設備で自前運用する従来型
  • マネージドサービス: マネージドサービスといえば運用・保守を専門事業者に委託

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。