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統計的分析と推測

標準約 21 分応用数学

概要

2つの変数の関係の強さを調べる相関、原因側の説明変数から結果側の目的変数を予測する回帰、そして標本から母集団を推し量る推定・仮説検定という、データから関係や結論を導く統計的分析・推測の基礎を学ぶ単元です。各手法の役割と用語の対応が試験で問われます。

用語7

相関係数

2つの変数の関係の強さと向きを-1〜+1で表す指標。

相関係数は、2つの変数がどれくらい強く関連し合っているかを-1から+1の数値で示す指標です。+1に近いほど一方が増えると他方も増える正の相関が強く、-1に近いほど一方が増えると他方が減る負の相関が強く、0に近いほど関係が弱い(無相関)ことを表します。 注意したいのは、相関が強くても、それが必ずしも因果関係(原因と結果)を意味するわけではないという点です。「相関関係≠因果関係」は試験でよく狙われる観点です。 値の符号(正・負)が関係の向きを、絶対値の大きさが関係の強さを表す、と分けて覚えると確実です。

たとえ気温とアイスの売上のように、片方が上がるともう片方も上がる度合いを-1〜+1の物差しで測るイメージ。+1に近いほど二人三脚がそろっています。

記憶フック相関係数といえば-1〜+1で関係の強さと向き(相関≠因果)

説明変数

結果を説明・予測するために使う原因側の変数。

説明変数は、回帰分析などで「原因」や「入力」にあたる変数で、結果を説明したり予測したりするために使います。独立変数とも呼ばれます。 次に学ぶ目的変数と必ずペアで登場し、説明変数が原因側、目的変数が結果側という役割の対応を押さえることが重要です。例えば「広告費(説明変数)から売上(目的変数)を予測する」のように使います。 試験では、説明変数=原因・入力側、目的変数=結果・出力側という対応の取り違えが狙われます。どちらが原因側かをセットで覚えましょう。

たとえ料理で「火加減」を変えると「焼き上がり」が変わるとき、火加減が説明変数。結果を左右する手元のつまみにあたります。

記憶フック説明変数といえば原因・入力側(目的変数を説明する変数)

目的変数

説明変数から予測・説明される結果側の変数。

目的変数は、回帰分析などで「結果」や「出力」にあたる変数で、説明変数を使って予測・説明したい対象です。従属変数とも呼ばれます。 説明変数と対をなし、目的変数が結果側、説明変数が原因側という役割の対応で理解します。「気温(説明変数)から来客数(目的変数)を予測する」のように、知りたい・当てたい方が目的変数です。 試験では説明変数と目的変数のどちらが原因側・結果側かを問う形が定番です。目的変数=求めたい結果、と覚えると取り違えを防げます。

たとえ天気予報で「明日の気温」を当てたいとき、その気温が目的変数。手がかり(湿度や気圧など)から導き出したいゴールにあたります。

記憶フック目的変数といえば結果・出力側(説明変数から予測したい変数)

推定

標本のデータから母集団の値を推し量る統計的手法。

推定は、全体(母集団)を調べきれないとき、その一部を抜き出した標本のデータから母集団の平均などの値を推し量る手法です。推測統計の出発点となる考え方です。 推定には、平均を1つの値で示す点推定と、「95%の確からしさでこの範囲」のように幅を持たせて示す区間推定があります。標本から全体を見積もる、という方向性が核心です。 試験では、全数調査が難しい場面で標本から母集団を見積もる手法であること、次に学ぶ仮説検定との役割の違いが問われます。推定=値を見積もる、と押さえましょう。

たとえ鍋全体の味見をするのに、一口だけすくって味を判断するイメージ。すくった一口(標本)から鍋全体(母集団)の味を推し量ります。

記憶フック推定といえば標本から母集団の値を見積もる

仮説検定

立てた仮説が統計的に正しいかを標本データで判断する手法。

仮説検定は、「ある仮説が正しいといえるか」を標本データをもとに統計的に判断する手法です。推定が値を見積もるのに対し、仮説検定は仮説の妥当性を結論づける点が違います。 手順は、否定したい仮説(帰無仮説)を立て、それが起こりにくいかどうかを基準と照らして判断し、起こりにくければ帰無仮説を棄却して対立仮説を採用します。判断には有意水準(例:5%)という基準を使います。 試験では、推定と検定の役割の違いや、標本から仮説の真偽を統計的に判定する流れが問われます。検定=仮説のYES/NOを統計で判断、と整理しましょう。

たとえ「このコインは公平だ」という仮説を、何度も投げた結果(標本)で検証するイメージ。偏りが偶然では説明しにくいほど大きければ「公平でない」と判断します。

記憶フック仮説検定といえば標本で仮説の正否を統計的に判断

仮説を立てる
帰無仮説

標本データを集める

有意水準と照合

起こりにくい
→棄却

起こりうる
→棄却しない

回帰分析

説明変数から目的変数を予測する関係式を求める分析手法。

回帰分析は、説明変数と目的変数の関係を数式(回帰式)で表し、説明変数の値から目的変数の値を予測する手法です。説明変数が1つの場合を単回帰、複数の場合を重回帰と呼びます。 相関分析が「関係の強さを測る」ことに重点を置くのに対し、回帰分析は「関係を式にして予測する」ことに重点を置きます。両者の目的の違いが試験のポイントです。 試験では、説明変数から目的変数を予測する手法であること、相関分析との役割の違いが問われます。回帰=式を作って予測、と覚えましょう。

たとえ過去の「気温」と「アイス売上」のデータから直線の式を引き、明日の気温を入れて売上を予測するイメージ。点の傾向を貫く一本の線を引く作業です。

記憶フック回帰分析といえば説明変数から目的変数を式で予測

回帰式

説明変数
原因・入力

目的変数
結果・予測値

過去データ

回帰式を求める

相関分析

2変数の関係の強さを相関係数で調べる分析手法。

相関分析は、2つの変数の間にどれくらい強い関係があるかを、相関係数などを用いて調べる分析手法です。データを散布図に描いて傾向を確認することもよく行われます。 回帰分析と対をなす手法で、相関分析は「関係の強さの測定」、回帰分析は「関係式による予測」という役割分担で理解します。相関分析では、関係が強くても因果関係があるとは限らない点に注意が必要です。 試験では、相関分析と回帰分析の目的の違い、相関分析が関係の強さを測る手法であることが問われます。相関分析=強さを測る、回帰分析=式で予測、と対で覚えましょう。

たとえ勉強時間とテスト点数を散布図に並べ、点が右肩上がりに集まっているかを眺めて「関係の強さ」を確かめるイメージです。

記憶フック相関分析といえば相関係数で2変数の関係の強さを測る

まとめ

要点

  • 相関係数は2変数の関係の強さと向きを-1〜+1で表す。符号が向き、絶対値が強さを示し、相関が強くても因果関係とは限らない点が頻出。
  • 説明変数(原因・入力側)と目的変数(結果・出力側)はペアで登場し、どちらが原因側かの対応を取り違えないことが重要。
  • 推定は標本から母集団の値を見積もる手法、仮説検定は標本データで仮説の正否を統計的に判断する手法で、役割の違いが問われる。
  • 回帰分析は説明変数から目的変数を式で予測する手法、相関分析は相関係数で関係の強さを測る手法で、両者は対比で覚える。
  • 記述統計(u02)で要約したデータをもとに、本単元では変数間の関係分析と母集団への推測へと発展させる。

記憶フック一覧

  • 相関係数: 相関係数といえば-1〜+1で関係の強さと向き(相関≠因果)
  • 説明変数: 説明変数といえば原因・入力側(目的変数を説明する変数)
  • 目的変数: 目的変数といえば結果・出力側(説明変数から予測したい変数)
  • 推定: 推定といえば標本から母集団の値を見積もる
  • 仮説検定: 仮説検定といえば標本で仮説の正否を統計的に判断
  • 回帰分析: 回帰分析といえば説明変数から目的変数を式で予測
  • 相関分析: 相関分析といえば相関係数で2変数の関係の強さを測る

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。