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記号的AIと論理推論

標準約 13 分情報に関する理論

概要

このユニットでは、ルールを人が記述する古典的・記号的AIの枠組みを学ぶ。知識を表す述語論理を土台に、一般則から個別結論を導く演繹推論、個別事例から一般則を導く帰納推論という対をなす推論形式、そしてそれらをIF-THEN形式で実装するルールベースを扱う。データから学ぶ機械学習(以降のユニット)と対比される、AIの基本的な考え方として重要である。

用語4

述語論理

対象の性質や関係を述語と変数で表し、論理的に扱えるようにした記号体系。

述語論理は、「ソクラテスは人間である」のような文を「人間(ソクラテス)」と述語と対象に分けて表し、コンピュータが扱える形に記号化する論理の枠組みです。「すべての」「ある」といった量を表す記号も使え、知識を厳密に表現できます。 試験では、記号的AIが知識を表現し推論する土台が述語論理である、という位置づけが問われます。単なる真偽だけを扱う命題論理よりも、対象どうしの関係まで細かく表せる点が特徴で、後述の演繹推論を成り立たせる基盤になります。

たとえ文章を「主語」と「述語」に分けて整理するようなもの。「太郎は学生だ」を『学生(太郎)』と書き、誰が何の性質を持つかを誤解なく機械に伝える共通フォーマットです。

記憶フック述語論理といえば述語と変数で知識を表す記号的AIの土台

演繹推論

一般的な法則(前提)から、個別の確実な結論を論理的に導く推論。

演繹推論は、「すべての人間は死ぬ」「ソクラテスは人間だ」という一般則と前提から、「ソクラテスは死ぬ」という結論を必然的に導く推論です。前提が正しければ結論も必ず正しくなります。 試験では、データから一般則を導く帰納推論との対比が頻出です。演繹は『一般→個別』で結論が確実、帰納は『個別→一般』で結論は確実とは限らない、と整理しましょう。述語論理で表した知識から自動的に結論を導く、記号的AIの中心的な仕組みです。

たとえ「この店の商品はすべて税込表示」というルールを知っていれば、棚の値札を一つずつ確かめなくても「この商品も税込だ」と確実に言えるようなものです。

記憶フック演繹推論といえば一般則から個別の確実な結論(一般→個別)

一般則: すべての人間は死ぬ

当てはめて推論

前提: ソクラテスは人間

確実な結論: ソクラテスは死ぬ

帰納推論

個別の複数事例から、共通する一般的な法則や傾向を導く推論。

帰納推論は、「カラスAは黒い」「カラスBも黒い」…という個別の観察を多数集め、「カラスは黒い」という一般則を導く推論です。観察に基づくため結論は確からしいものの、必ず正しいとは限りません(例外がありうる)。 試験では、演繹推論との違いが問われます。帰納は『個別→一般』で結論が確実ではない点が、『一般→個別』で確実な演繹との決定的な差です。データから規則性を見つける考え方は、後に学ぶ機械学習の発想にもつながります。

たとえ何日も「朝に太陽が東から昇る」のを見て「太陽は東から昇る」と結論づけるようなもの。多くの事例から法則を見出しますが、絶対の保証はありません。

記憶フック帰納推論といえば個別事例から一般則(個別→一般、確実とは限らない)

ルールベース

「もし〜ならば〜」というルールを人が記述し、それに従って推論・処理する方式。

ルールベースは、専門家の知識を「もし熱が高ければ風邪の疑い」のようなIF-THEN形式のルールとして人があらかじめ書き、入力された事実にルールを当てはめて結論を導く仕組みです。エキスパートシステムの中核技術です。 試験では、ルールを人が記述する記号的AIの代表例である点、そしてデータから自動でパターンを学ぶ機械学習との違いが問われます。判断の根拠(どのルールが使われたか)を説明しやすい一方、ルール作成に手間がかかる点も特徴です。

たとえ料理のレシピ集のようなもの。「もし材料がAなら手順Bを行う」と条件と対応を全部書いておけば、その通りに進めて誰でも同じ結果にたどり着けます。

記憶フックルールベースといえばIF-THENを人が書く記号的AI(エキスパートシステム)

入力された事実

ルール集(もし〜ならば〜)

当てはまるルールを適用

結論を出力

まとめ

要点

  • 述語論理は対象の性質や関係を述語と変数で記号化し、記号的AIが知識を表現・推論する土台となる。
  • 演繹推論は『一般→個別』で前提が正しければ結論も必ず正しい、確実な推論である。
  • 帰納推論は『個別→一般』で多数の事例から法則を導くが、結論は確実とは限らない(演繹との対比が頻出)。
  • ルールベースはIF-THEN形式のルールを人が記述する記号的AIで、エキスパートシステムの中核となる。
  • 知識表現(述語論理)→2種の推論(演繹・帰納)→実装(ルールベース)へと、ルールを人が書く古典的AIの全体像をつかむ。

記憶フック一覧

  • 述語論理: 述語論理といえば述語と変数で知識を表す記号的AIの土台
  • 演繹推論: 演繹推論といえば一般則から個別の確実な結論(一般→個別)
  • 帰納推論: 帰納推論といえば個別事例から一般則(個別→一般、確実とは限らない)
  • ルールベース: ルールベースといえばIF-THENを人が書く記号的AI(エキスパートシステム)

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。