用語(7)
デュアルシステム
2系統で同じ処理を並行実行し、結果を相互照合する高信頼の冗長構成。
デュアルシステムは、同一の処理を2つの系統で同時に行い、両者の結果を常に突き合わせて確認する構成です。結果が一致していれば正常とみなし、片方が故障しても残りの系統で処理を続けられます。
試験では、後述のデュプレックスシステムとの違いがよく問われます。デュアルは2系統が「常に並行稼働して照合」するのに対し、デュプレックスは主系が稼働し副系は待機する点が対比のポイントです。信頼性は高いがコストも高く、銀行のオンライン処理など高い無停止性が求められる場面で使われます。
たとえ2人の会計係が同じ計算を別々に行い、答えを突き合わせて一致を確認するようなもの。片方が間違えても、もう片方ですぐ気づき処理を止めずに済みます。
記憶フックデュアルシステムといえば2系統で並行処理し結果を相互照合する冗長構成
デュプレックスシステム
現用系(主系)が稼働し、待機系(副系)が控える二重化の冗長構成。
デュプレックスシステムは、普段は主系(現用系)が処理を担当し、副系(待機系)は予備として控える構成です。主系が故障したら副系に切り替えて処理を継続します。副系は障害発生まで本処理を行わない点がデュアルとの大きな違いです。
試験では、待機系の控え方によって「ホットスタンバイ」「コールドスタンバイ」に分かれる点が問われます。デュアルが常時2系統並行なのに対し、デュプレックスは主系1本+待機系という構成で、コストを抑えつつ可用性を確保する方式だと整理しておきましょう。
たとえレジ係が1人で接客し、もう1人は奥で控えているお店のようなもの。担当者が倒れたら、控えの人が代わりに前へ出て接客を続けます。
記憶フックデュプレックスシステムといえば主系が稼働し待機系が控える二重化構成
ホットスタンバイ
待機系を常時起動しておき、障害時に即座に切り替えられる待機方式。
ホットスタンバイは、デュプレックス構成における待機系の控え方の一つで、待機系をあらかじめ起動・準備した状態で待たせておく方式です。主系が故障すると、ほぼ待ち時間なく待機系へ切り替えられます。
試験では、コールドスタンバイとの対比が定番です。ホットは切替が速い分、待機系も常に動かすため電力やコストがかかります。切替時間の短さ(可用性の高さ)とコストのトレードオフを理解しておくことが重要です。
たとえ代走の選手がすでにユニフォーム姿でベンチに立ち、準備運動も済ませている状態。出番が来たら一瞬でグラウンドへ出られます。
記憶フックホットスタンバイといえば待機系を常時起動し即座に切り替える方式
コールドスタンバイ
待機系を停止しておき、障害時に起動して切り替える待機方式。
コールドスタンバイは、待機系を普段は停止(電源オフや未起動)の状態で控えさせておく方式です。主系が故障したら、待機系を起動してから切り替えるため、復旧までに時間がかかります。
試験では、ホットスタンバイとの違いが問われます。コールドは切替に時間を要する代わりに、待機中のコストを低く抑えられます。「切替は遅いが安い=コールド」「切替は速いが高い=ホット」という対の関係で覚えると区別しやすくなります。
たとえ予備の発電機を倉庫にしまっておくようなもの。いざというときは取り出してエンジンをかける手間がかかりますが、普段の維持費は安く済みます。
記憶フックコールドスタンバイといえば待機系を停止しておき障害時に起動する方式
フォールトトレラント
障害が発生しても全体として機能を維持し続ける設計思想。
フォールトトレラント(耐故障)は、構成要素の一部に障害が起きても、システム全体としては処理を止めずに機能を維持し続けることを目指す設計思想です。冗長構成(部品の二重化など)によって実現されることが多く、前半で学んだデュアルやデュプレックスはこの思想を支える具体策にあたります。
試験では、フェールセーフやフールプルーフとの違いが問われます。フォールトトレラントは「壊れても止めずに動かし続ける」のが狙いで、安全側に止める発想のフェールセーフとは方向性が異なる点を押さえましょう。
たとえタイヤが1本パンクしても走り続けられるよう、予備の仕組みを備えた乗り物のようなもの。一部が壊れても全体は止まらずに走り続けます。
記憶フックフォールトトレラントといえば障害が起きても機能を維持し続ける設計思想
フェールセーフ
障害発生時に、被害を最小化する安全な側へ移行させる設計思想。
フェールセーフは、故障や異常が起きたときに、システムを安全な状態へ向かわせる設計思想です。たとえば信号機が故障したら全方向を赤(または点滅)にする、ストーブが倒れたら自動で消火する、といった「危険な側ではなく安全な側に倒す」考え方です。
試験では、機能を維持し続けるフォールトトレラントや、誤操作を防ぐフールプルーフとの区別が問われます。フェールセーフは「故障そのものを前提に、起きたら安全に止める」点が核心で、似た用語との対比で覚えるのが効果的です。
たとえ石油ストーブが地震で倒れた瞬間に自動で火が消える仕組みのようなもの。トラブルが起きたら、被害が広がらない安全な状態へ自動で移ります。
記憶フックフェールセーフといえば障害時に安全な側へ倒す設計思想
フールプルーフ
利用者の誤操作を前提に、間違った操作をできなくする設計思想。
フールプルーフは、利用者が誤った操作をすることをあらかじめ想定し、そもそも間違った使い方ができないように工夫する設計思想です。たとえば電子レンジは扉を閉めないと加熱できない、洗濯機は蓋を開けると停止する、といった仕組みが該当します。
試験では、障害そのものへの備えであるフェールセーフ・フォールトトレラントとの違いが問われます。フールプルーフは「機器の故障」ではなく「人の操作ミス」を防ぐ点が核心です。対象が機械の障害か人の誤操作かで見分けると確実です。
たとえ扉を閉めないと回らない電子レンジのようなもの。うっかり危ない使い方をしようとしても、最初から操作できないようになっています。
記憶フックフールプルーフといえば利用者の誤操作を前提に防ぐ設計思想