教科書一覧へ

ネットワークを構成する接続装置

頻出約 21 分ネットワーク方式

概要

このユニットでは、ネットワークをつなぐ接続装置を学ぶ。ハブ・スイッチ・ルーターが「どの範囲をどう中継するか」を押さえ、外部への出口となるデフォルトゲートウェイやプロキシ、論理分割のVLAN、集中制御のSDNへ広げる。装置の役割と機能差はITパスポートで頻出のため、対比で正確に区別できることが重要。

用語7

ハブ

受信した信号を全ポートにそのまま流す、最も単純な集線装置。

ハブは複数の機器を1か所に集めてつなぐ装置で、受け取ったデータを宛先に関係なく接続中の全ポートへ送り出す。配線をまとめる役割が中心で、宛先を見分ける機能は持たない。 試験では「全ポートに送る=共有型」という点が、宛先だけに送るスイッチとの違いとして問われる。全員に流すため通信が増えると衝突が起きやすく、効率はスイッチに劣るという弱点も押さえておきたい。

たとえ会議室の全員に同じ書類を配ってしまう受付係のようなもの。誰宛てかを見ずに、その場にいる人すべてに同じものを渡してしまう。

記憶フックハブといえば全ポートにそのまま流す集線装置

スイッチ

宛先を判別し、必要なポートだけにデータを送る集線装置。

スイッチ(レイヤ2スイッチ)はハブを高度化した装置で、各機器のMACアドレスを記憶し、データを宛先の機器がつながるポートだけへ転送する。 試験では、全ポートに流すハブとの違いが頻出。宛先だけに送るため無駄な通信が減り、衝突が起きにくく効率がよい。「ハブ=全員に配る/スイッチ=宛先だけに配る」という対比で覚えると区別しやすい。

たとえ宛名を見て、その人の机だけに郵便を届ける社内の仕分け係。全員に配らず、必要な相手にだけ正確に渡す。

記憶フックスイッチといえば宛先のポートだけに送る

ルーター

異なるネットワーク(LAN)同士を中継し、最適経路で転送する装置。

ルーターはLANとLAN、あるいはLANとインターネットなど、異なるネットワーク同士をつなぐ装置。IPアドレスを見て、データをどの経路へ送るか(ルーティング)を判断する。 試験では、同じLAN内の中継であるハブ・スイッチに対し、ルーターは「ネットワーク間」をつなぐ上位の装置だという役割の違いが問われる。家庭でインターネットに接続する機器の中核もルーターである点も押さえておきたい。

たとえ街と街を結ぶ道路の分岐点に立ち、行き先を見て最適な道へ案内する交通案内係のような役割を果たす。

記憶フックルーターといえばLAN間を最適経路で中継

デフォルトゲートウェイ

自LAN外への通信時に、出口として使う機器のこと。

デフォルトゲートウェイは、同じLAN内に宛先がない通信を外部へ送り出すときに経由する出口で、通常はルーターがその役割を担う。 試験では「外部(別ネットワーク)へ出るときの出口」という役割の理解が問われる。宛先が自分のLAN内なら直接届け、LAN外ならまずデフォルトゲートウェイへ渡す、という振り分けの考え方を図でイメージしておくと正答しやすい。

たとえ建物の中の人へは直接届け、外の人へ送るときは必ず通る正面玄関のような存在。外への通信はすべてここを通る。

記憶フックデフォルトゲートウェイといえばLAN外への出口

同一LAN内

LAN外あて

自分の端末

LAN内の相手

デフォルトゲートウェイ ルーター

外部ネットワーク

プロキシ

内部の機器に代わって外部と通信を中継する代理サーバ。

プロキシ(プロキシサーバ)は、社内などの内部機器に代わってインターネットへアクセスする「代理人」。通信を一手に中継することで、アクセス記録の取得や有害サイトの遮断、内部アドレスの隠蔽といった効果が得られる。 試験では、通信を「代理・中継する」役割と、セキュリティやアクセス制御に使われる点が問われる。単なる経路装置ではなく、間に立って内容を見たり制御したりできる点がデフォルトゲートウェイとの違い。

たとえ本人に代わって窓口へ出向く代理人。代わりに手続きをしつつ、誰が何を頼んだかを記録し、不適切な依頼は断ってくれる。

記憶フックプロキシといえば内部に代わって外部と通信する代理

VLAN

物理配線によらず、論理的にLANを分割するしくみ。

VLAN(仮想LAN)は、1台のスイッチや同じ物理配線の中でも、設定によってグループを分け、別々のLANのように扱う技術。部署ごとに通信を分離するといった使い方ができる。 試験では「物理的な配線を変えずに論理的に分割する」という点が要点。配線をつなぎ替えなくてもソフト設定で区切りを作れるため、柔軟な構成変更やセキュリティ向上に役立つことを押さえておきたい。

たとえ1つの大部屋を、壁を立てずに座席の割り当てだけで複数の部署に分けるようなもの。配置を変えずグループを区切れる。

記憶フックVLANといえば物理によらず論理的にLAN分割

論理的に分離

1台のスイッチ

VLAN A 営業部

VLAN B 開発部

SDN

ネットワークをソフトウェアで集中制御する考え方。

SDN(Software-Defined Networking)は、各機器を個別に設定するのではなく、ソフトウェアによって全体の経路や制御をまとめて管理する方式。データを運ぶ部分と制御する部分を分離するのが特徴。 試験では「ソフトウェアで集中的に制御・構成変更できる」という考え方が問われる。装置を一台ずつ手作業で設定する従来方式に比べ、柔軟で迅速な構成変更ができる点が、本ユニットの応用の到達点として重要。

たとえ各信号機を個別に手で切り替えるのではなく、管制室から街全体の信号をまとめて制御するような集中管理のしくみ。

記憶フックSDNといえばソフトでネットワークを集中制御

まとめ

要点

  • ハブは全ポートに流す共有型、スイッチは宛先ポートだけに送る——この機能差が頻出の対比ポイント。
  • ハブ・スイッチは同一LAN内の中継、ルーターは異なるLAN(ネットワーク)間を中継する上位装置。
  • デフォルトゲートウェイはLAN外への出口(通常ルーター)、プロキシは内部に代わって外部と通信する代理サーバ。
  • VLANは物理配線を変えずに論理的にLANを分割するしくみ。
  • SDNはネットワークをソフトウェアで集中制御する方式で、本ユニットの応用の到達点。

記憶フック一覧

  • ハブ: ハブといえば全ポートにそのまま流す集線装置
  • スイッチ: スイッチといえば宛先のポートだけに送る
  • ルーター: ルーターといえばLAN間を最適経路で中継
  • デフォルトゲートウェイ: デフォルトゲートウェイといえばLAN外への出口
  • プロキシ: プロキシといえば内部に代わって外部と通信する代理
  • VLAN: VLANといえば物理によらず論理的にLAN分割
  • SDN: SDNといえばソフトでネットワークを集中制御

関連の過去問演習は今後のアップデートで追加予定です。